寝てもダルさが抜けない…自律神経失調症リスクを高めるNG行動
「疲れがとれずダルさが続く」、「そういえば最近、たまに頭痛もある」……もしかしてその症状、自律神経失調症かもしれません。
“自律神経失調症”と聞いたことはあるけど、具体的にどんな病気でどんなことが原因となっているのかはわからない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、予防医療推進協会の理事長を務める筆者が、自律神経失調症の症状とそのリスクを高めてしまう生活習慣についてご紹介します。
■そもそも自律神経ってどんな働きをしているの？
意思によって体を動かすなど、いわゆる感覚を司るものが体性神経。それに対して意思に関係なく体の機能を調節するのが自律神経です。
食べ物と口に入れた時に「唾液を何ml出す！」、「胃液を何ml出す！」と意識したり、月経周期に合わせて「エストロゲンの分泌量を増やす！」など考えたりすることはありませんよね？ それでも自律神経が正常に働いていれば、体は必要なタイミングで必要な分泌物を必要なだけ分泌してくれる、これが自律神経の働きです。たとえば、暑ければ汗をかいて体温調節したり、目が乾燥しないようにまばたきをしたりします。
■自律神経失調症になるとどんな症状が出る？
自律神経の働きは非常に多岐にわたります。そのバランスが崩れてしまう自律神経失調症では、不眠、ダルさ、休んでもとれない疲労感、めまい、動悸、息切れ、便秘、下痢、月経不順、冷え症、理由もないのにイライラする、不安になる、情緒が不安定になる、抑うつ感……など体の症状だけでなく精神的な症状も引き起こすことがあります。
■自律神経のバランスを乱すNG習慣3つ
（1）不規則な睡眠時間
特に早番・遅番・夜勤などの交代勤務のある人は就寝時間や起床時間が不規則になるため、自律神経が乱れやすくなってしまいます。
これだけでなく、平日は6時に起きるのに週末になると夜更かしをして休日は10時頃まで寝ているといったいわゆる“週末朝寝坊”でも、自律神経は乱れてしまうことがあります。仮に週末に夜更かしをしても平日よりも1時間以上の朝寝坊は避けて、日中20分程度の昼寝で乗り越え、早めに就寝するようにしましょう。
（2）食事時間がバラバラ
これも自律神経が乱れる原因に。朝食を摂ったり摂らなかったり、夕食も19時に食べることもあれば22時過ぎることもある。週に1回くらいであれば大きな問題ではありませんが、このようなバラつきが日常的になっているようであれば、注意が必要です。
（3）ストレスをため込んでしまう
私たちの体はストレスがかかると交感神経が刺激され興奮状態になります。交感神経が優位になると心拍数や血圧が上がったり、副交感神経が優位の時に働く胃腸の働きが鈍くなったりとさまざまな不調があらわれます。
ストレスは大きな悩みごとだけでなく、日常の小さなイライラも積み重ねてしまうと大きくなってしまうので、1日10分でも自分がリラックスできる時間を作ったり、ゆっくりとした深呼吸をしたりして、うまくストレスをコントロールすることをオススメします。
自分では自律神経を思うようにコントロールすることはできませんが、生活習慣や呼吸のコントロールは自分でもできますよね。日常の積み重ねが体を良くも悪くも変えていくので、できるだけ良い方向に生活習慣を向けてくださいね。
【監修者略歴】
※ 川上智史 ・・・ 医学博士。主に予防医学を専門とし、各種教育機関で基礎医学について講義を行う他、一般向けに予防医学に関する講演を行うなど、予防の重要性を啓発し続けている。また、アンチエイジングアドバイザー、メディカルアドバイザーとして医学的に“美と健康”を追求し、コメンテーターとしても幅広く活動。
【筆者略歴】
※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。
【画像】
※ Dean Drobot / shutterstock
