突然ですが、「雲」の数え方ってなんだか知ってますか? 1個? 1枚? うーん、なんかぴんとこない。実は雲って、形によって数え方が違うそうです。細かく小さな雲は、「一切れ」。飛行機雲は、「一本」。帯状の雲は「一流れ」。塊のようになっているのは「一朶(いちだ)」……。とにかく複雑な日本の単位。ですがそこには、物事の由来が隠れていて、面白いのです。



世界の言語の中でも、とても難しいとされる日本語。中でも「単位」で迷うことって、たくさんあるのではないでしょうか?

お豆腐は、「一丁」。お箸は「1膳」。

こうした単位が定められたのは江戸時代のことが多いよう。

今日は中でも少し難しいものをご紹介したいと思います。

まず、初級編。

「箪笥(たんす)」の単位は、なんでしょうか。

……そう、答えは「ひと竿(さお)」、「ふた竿」と数えます。

これは、江戸時代、火事から逃げる時や引越しの時箪笥を運ぶのに、竿を通して2人で担いで運んだことから。当時の箪笥は、そういう仕様になっていたのですね。

次に中級編。

「蝶々」の単位はなんでしょう?

……「一匹」? 「一羽」?

いいえ違います。蝶々は、「一頭(とう)」と数えるのです。

まるで象のようですが、これは英語が日本に入ってきたことにより変化したものだそう。英語で蝶は「one head」と数えます。この影響から「一頭」と数えるようになったそうです。

最後に上級編。

「神様」はどのように数えるのでしょうか?

一人、二人、と数えたくなるのが普通ですが、実は神様は「一柱(ひとはしら)」、「二柱(ふたはしら)」、と数えます。

古来より日本人は、自然の中に神々の存在を感じていました。

特に、木。木には神様が宿っていると思われていたのです。そのため、柱と数えられたのです。

長野の有名なお祭りである「御柱(おんばしら)祭り」で、柱を神聖なものとして扱うのもこうしたところから来ているんですね。

とても不思議な、日本語の単位。

調べてみると、普段使っている身近なものの単位をうっかり間違っているかもしれませんよ。

文/岡本清香

TOKYO FM「シンクロのシティ」にて毎日お送りしているコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は、「不思議な日本語の単位」として、2015年4月21日に放送した内容を再構成したものです。

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