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By Joel Tonyan

天文学者が長年研究しているのにもかかわらず判明していない宇宙の謎の1つが、宇宙にある銀河の数です。観測可能な宇宙にある銀河はおよそ1000億〜2000億個とされていたのですが、新たな研究により2兆個以上あることが判明しました。

Hubble Finds 10 Times More Galaxies Than Thought | NASA

http://www.nasa.gov/feature/goddard/2016/hubble-reveals-observable-universe-contains-10-times-more-galaxies-than-previously-thought

Observable Universe contains ten times more galaxies than previously thought | ESA/Hubble

http://www.spacetelescope.org/news/heic1620/

HubbleSite - NewsCenter - Hubble Reveals Observable Universe Contains 10 Times More Galaxies Than Previously Thought (10/13/2016) - Release Images

http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/2016/39/image/

1990年の打ち上げ以降、地上約600km上空の軌道上を周回しながら天体観測を行いデータを収集しているのがハッブル宇宙望遠鏡です。ハッブル宇宙望遠鏡で1995年12月18日〜28日までかけて撮影された342枚の画像を組み合わせたハッブル・ディープ・フィールドにより、天文学史上初めて観測可能な宇宙にある銀河の数が約1000億〜2000億個と予測されました。



By Dalton

しかし、今回イギリスのノッティンガム大学のクリストファー・コンセーリチェ氏が率いた研究チームが、ハッブル宇宙望遠鏡により20年以上かけて収集された画像データを使用して3Dモデルを作成し、観測可能な宇宙にある銀河の数を再測定したところ、何と2兆個以上あることが判明。これはハッブル・ディープ・フィールドで導かれた銀河の数の約10倍〜20倍にもおよびます。

また、研究チームは現代の望遠鏡では観測できない銀河の存在を推測する新しい数理モデルを使用し、観測可能な宇宙にある銀河でさえも、その90%は見えていない、つまり観測されていないことが判明。今回判明した2兆個よりもさらに多い数の銀河が、観測可能な宇宙に存在している可能性が明らかになりました。



コンセーリチェ氏は「次世代の望遠鏡であれば、今見えていない銀河を観測できるかもしれない」と語っています。

今回の発見は、宇宙の途方もなく長い歴史を通して、銀河同士が合体しその総数を急激に減少させている重要な証拠になるとのこと。また、銀河の減少は、「太陽よりも明るい星が無数にあるのに、なぜ夜空は暗いのか?」に疑問を抱き、実際に夜空の星から地球に降り注ぐ光の量を計算し「計算上では夜空は明るい」ことを導き出した「オルバースのパラドックス」を解く手がかりになる可能性も秘めているそうです。