今年は例年よりも、夏から秋にかけての寒暖差が激しかったような気がします。残暑で暑くなったり、羽織ものが必要なくらい寒かったり。さらに相次ぐ台風で、頭痛持ちの方などは、まだまだツラい時期ではないでしょうか。自律神経が乱れてしまうこの季節、体調管理はしっかりしたい!ということで、今回は江戸時代の「秋の養生」のお話です。


秋は体調を崩しやすい? 聞けば納得、江戸式「養生」のススメ



季節はすっかり秋。
気候も良く、食べ物も美味しい、とてもよい時期ですよね。
ですが、こんなに気持ちよい季節に、なんだかずっと体調が優れない、そんなふうに思っている方も少なくないのではないでしょうか。

季節の変わり目である春と秋には、知らない間にその前の季節の疲れが溜まっていることがあります。
それは江戸時代から同じで、江戸の健康スペシャリスト、貝原益軒(かいばら・えきけん)も、有名な著書「養生訓」の中で諸々注意を呼びかけています。

たとえば、こんな感じ。
「秋は、夏に開いた皮膚が、まだ閉じていない。外邪から守る気が未だ堅固でない。秋風に吹かれると破られやすいので、慎んで涼風にあたりすぎてはならない。」
突然、皮膚やお肌の調子が悪くなった方はいませんか?
貝原益軒によると、秋は肌が荒れやすい時期。
涼しくなったからと、外の風ばかりにあたっていてはいけないそうです。

また、「病ある人は、残暑過ぎて後、所々に灸して風邪をふせぎ、陽を助けて痰咳のうれひをまぬがるべし。」とも。
残暑が終わったら体のところどころにお灸をすることを勧めています。
とにかく温めるのが吉なようです。

そして、夏に冷たいもので傷めつけてしまった「胃腸」……。
これにはなんといっても「小食」が一番とのこと。
「食べる量が少なければ胃腸のなかに隙間があり、元気が巡りやすく、食物が消化しやすくなって、飲食したものがすべて体の養分となる」とのことで、調子の悪いときは胃の中に何か残っている状態で次の食事をしないことを勧めています。
「食事は1日3回」と決めつけず、身体と相談して食事を抜くことも大事なのですね。

すべての基本は、健康から。
スッキリとして、秋を楽しみたいですね!

文/岡本清香

TOKYO FM「シンクロのシティ」にて毎日お送りしているコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は「江戸式・秋の不調の乗り越え方」として、10月3日に放送しました。

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<番組概要>
番組名:「シンクロのシティ」
放送日時 :毎週月〜木曜15:00〜16:50
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番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/city/