東京都江東区のショッピングモール「サンストリート亀戸」が2016年3月31日、閉館した。第二精工舎(現在のセイコーインスツル)の本社・工場跡地を利用してスタートしたのだが、亀戸駅前という地の利もあり、周辺住民が集まる人気スポットとなった。


閉館の横断幕

住民以外でも、ここに親しみを持つ人は多い。中央にあるステージで、さまざまな芸能人がライブを行ったため、ファンたちの「聖地」になっているのだ。下積み時代のPerfumeや、メジャーデビュー前の奥華子さんも、定期的に公演していたという、その現場を歩いてみた。

もともと15年間限定だった

サンストリートは1997年オープン。もともと一時利用を前提に建てられ、その期間は2012年まで。本来は3年前に閉店しているはずだった。跡地には高層マンションと商業施設が建設されるという。


ステージ前


2階から見た広場

最終日の館内は、平日昼間にもかかわらず、人でごった返していた。ちょうどステージでは、地元ダンススタジオのショーを開催中。踊る合間に小中学生ダンサーが、サンストリートの思い出を語っている。18年といえば、生まれた子供が高校卒業するほどの年月。「赤ちゃんの頃から来ていた」という彼女たちは、この広場でどんな日々をすごしたのだろう。


2階にも客がビッシリ

テナントも軒並み、閉店セール。モール中央にあるスーパー「つるかめランド」は、すでに残り商品わずか。偶然にも店内BGMは、Perfumeの「ねぇ」インストゥルメンタルバージョンだった。


閉店セールが行われている

駐輪場は「満車」

最終日前日の3月30日には、新潟県のご当地アイドル「Negicco(ねぎっこ)」によるライブも実施。その動画は、所属レーベルのYouTubeアカウントに載っている。結成13年目の彼女たちも「デビューして2年くらいの時」から、たびたびステージに立っていた。

最終日夕方には、同じくライブを繰り返したPaniCrew(パニクルー)も登場した。アイドルファンにも、地域の人々にとっても、そこにあるのが当たり前だったサンストリート。駐輪場は最終日も「満車」が続き、愛されながらの最後となった。


駐輪場はいっぱいに

閉館を惜しむ声はツイッターにも流れている。


サンストリート遠景

サンストリート亀戸のノウハウは、同系列の「サンストリート浜北」(静岡県浜松市)などに生かされている。亀戸の地からは消えるが、ショッピングモール界の歴史に、その名は刻まれ続けるだろう。


春は出会いと別れの季節


最終日はポカポカ陽気だった