JR新宿駅に2016年4月4日、大型バスターミナル「バスタ新宿」がオープンする。

これによって、新宿エリアに点在していた高速バス乗降場は一元化。JRだけでなく、高速バス各社の路線は、この「バスタ新宿」を拠点にすることになる。では、具体的に何が変わるのか? まもなく役目を終える、各社のバスターミナルをめぐった。



ヨドバシ前の「狭いバスターミナル」は...

「バスタ新宿」は、公募によって選ばれた愛称。バスがスター(星)のように各地へ放射する、バスとタクシーの略などの意味を込めた。2階にはJR改札、3階はタクシー乗降場、そして4階に高速バスターミナルが設置される。


線路上に建設されたバスタ新宿(正面)

国土交通省の発表によると、西口周辺に分散していた19か所のバス停を集約。15のバース(乗降場)に、118のバス事業者が乗り入れ、あわせて1625便が発着する「日本一」のバスターミナルになるという。では、どんな会社が入るのだろう。


JRの高速バスのりば

まずはJRバス(ジェイアールバス関東)。NTTドコモ本社前にある「新宿駅新南口(代々木)」を閉め、乗車・降車ともにバスタへ移る。現状では代々木駅が最寄りのため、同駅構内には移転の告知が張られていた。


代々木駅構内の案内


草津温泉へ行くバス。ザスパ草津とバスタ新宿って、ちょっと似てる。

続いて、京王グループの「新宿高速バスターミナル」。現在はヨドバシカメラ前のMY新宿第二ビル(ヨドバシが所有)を使用しているが、一部の便を除いてバスタ乗車に変更される。とはいえ降車については、ひとまず5月8日まで、従前の場所で続けられる。


新宿高速バスターミナル


ヨドバシも入居している「MY新宿第二ビル」

報道によると、MY新宿第二ビルは取り壊され、道をはさんだヨドバシ本店と一体で再開発される予定だ。高速バスが歩道を横切り、狭い道路をすり抜ける風景が見れなくなるのは、少し残念な気もする。


隣接する「110ビル」にもバス待合所がある

かつての「ツアーバス」もバスタへ

かつてのツアーバス、現在では「新高速乗合バス」に分類されている各社も、バスタへ乗り入れる。WILLER TRAVELは2010年から、東京都庁北側の新宿住友ビルを拠点にしているが、これも1キロほど離れたバスタへ移行。4月3日に閉館予定だ。


新宿住友ビル前に止まる、ウィラー・エクスプレス

VIPライナー(平成エンタープライズ)は、新宿郵便局近くの休憩施設「VIPラウンジ」での集合から、バスタ集合に変更する。


雑居ビルにある「VIPラウンジ」


看板には「高速バス待合ラウンジ」の文字

その他、新高速乗合バスの多くは、「高速バス西新宿」として、数か所のバス停にわかれている。新宿センタービルに待合所を置き、そこから各バス停へ移動する形態を取っているが、これらもバスタへ移る。


新宿センタービル内のバスターミナル


既存バス停に併設された「高速バス西新宿」バス停

タクシーにも影響が

そのほか、新宿西口のバスロータリーを拠点とする私鉄系のバスも、多くがバスタへ移る。しかしながら、前述した京王のように、当面の降車は現状維持という会社は多い。また「続行便」と呼ばれる増発便については、バスタ以外からの発車とする社がほとんどだ。


リムジンバスも乗り入れる

変化が起こるのは、高速バス利用者だけじゃない。新宿南口のタクシー乗降場が、バスタ3階へ移転されるため、路上でのタクシー乗降が出来なくなるのだ。具体的には、国道20号(甲州街道)の新宿4丁目交差点〜西新宿1丁目交差点の約500メートルが駐停車禁止となる。よく新宿を利用する人は注意が必要だ。


駅前路上ではタクシーを拾えなくなる(左:新宿駅南口、右:バスタ新宿)