太宰治も住んだ荻窪のアパート「碧雲荘」に行ってみた!...が、時すでに遅かった
文豪・太宰治が下宿していたアパート「碧雲荘(へきうんそう)」(東京都杉並区)が、大分県由布市へ移築される。報道によると、湯布院温泉で旅館を経営する女性が解体・移築費用を負担し、新たに交流施設として生まれ変わるのだという。
太宰が住んでいたのは、1936年11月〜37年6月の7か月間。「人間失格」の原型とされる「HUMAN LOST」などを執筆した。いまなお残る太宰ゆかりの地は少なく、ある意味「聖地」とされていた建物跡を2016年3月中旬、記者が訪れた。
背後は更地、シートに覆われて...
荻窪駅から、北へ10分ほど。東京衛生病院を抜けた、荻窪税務署の横に「碧雲荘」はあった。
シートに覆われた碧雲荘
残念ながら、2階建てのアパートは、すでに解体済み。道路に面した生け垣に、わずかに面影を残すだけだった。敷地は白いシートで覆われ、その向こうではガレキの片付け作業が行われている。
碧雲荘(右奥)の背後には、広大な更地が
碧雲荘跡地は、隣接する荻窪税務署や、すでに解体された国家公務員宿舎とともに再開発され、区の特定養護老人ホームなどになる予定だ。
荻窪税務署
「複合施設」着工は2016年7月
宿舎跡は更地になっていて、そちら側へ回り込むと、碧雲荘のガレキがよく見えた。
背後から見た碧雲荘跡地
80年にわたって、荻窪にあった碧雲荘。遠く離れた九州へと移るが、交流施設「文学の森」(仮称)となり、これからも人々と文学をつなぐ接点として、その姿を残していく。
更地から荻窪税務署(クリーム色の建物)をのぞむ