低調に終わった2015年の中国自動車市場において、日系メーカーだけは明るい話題が多かった。若者向けへのコンセプト偏向、新車種や既存車種のモデルチェンジ版を続々繰り出して売り上げを伸ばした日系メーカーは、今年も攻勢に出るようだ。(イメージ写真提供:123RF) 

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 低調に終わった2015年の中国自動車市場において、日系メーカーだけは明るい話題が多かった。若者向けへのコンセプト偏向、新車種や既存車種のモデルチェンジ版を続々繰り出して売り上げを伸ばした日系メーカーは、今年も攻勢に出るようだ。

 中国メディア・新浪汽車は27日、日系メーカーが今年中に少なくとも計40の新車種・モデルチェンジ車種を発表する予定で、そのうち4割にあたる16車種がSUV車であるとする記事を掲載した。

 記事はSUV車について、トヨタが一汽トヨタからニューモデルのRAV4とランドクルーザーの2車種を、ホンダが広汽ホンダ・東風ホンダの1車種ずつに加えて「中国市場のお荷物」とも呼ばれ苦戦してきた高級ブランド「アキュラ」からも新たにSUV車を発表する予定であると紹介。日産は輸入車、インフィニティ、鄭州日産から計4車種、三菱とマツダ、スバルはそれぞれ2車種、スズキは1車種SUV車をリリースすると伝えた。

 中国汽車工業協会が発表した15年の自動車販売台数データによると、商用車を除く乗用車の年間販売台数が2459万7600台で前年比7.3%増だったのに対し、SUV車は622万300台で同52.4%増を記録した。一方で、この分野では長城・江淮・長安・北汽といった中国メーカーが低価格な小型SUV車を武器に急成長を遂げている状況だ。

 人民網は28日付記事で、中国メーカーの小型SUV車の急成長は喜ばしいが「低価格や外観だけで消費者を引き付けているに過ぎず、核心技術の競争力に欠けている」と評価した。高い技術力を誇る日系メーカーによる攻勢で、16年のSUV車市場のシェアを巡る争いは新たな状況を生みそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)