「イニエスタを見習え」本田のヒントを突破口に課題克服が求められる柴崎岳

写真拡大

「イラン戦では何人かの選手を代えることになる。50パーセントの変更と思って間違いない。選手の可能性を探るためにもこの試合を有効活用し、若く経験を積んでいない選手がどんなプレーをするのか見てみたい。少しリスクはあるが、親善試合なので、それを実行したい」

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が前日練習時にこう宣言した通り、13日のイラン戦(テヘラン)に向け、日本代表は8日のシリア戦(マスカット)から先発を5人変更。若い世代を思い切って抜擢した。

 中でも注目されたのが、6月のシンガポール戦(埼玉)以来、久しぶりに長谷部誠(フランクフルト)とボランチを組んだ柴崎岳(鹿島アントラーズ)。「最近、代表の試合に絡んでないので、自分自身のプレーを示したいし、チームのために自分を生かせればいい」と本人も意欲を見せていた。アジア最強の呼び声高いイランに柴崎の攻撃センスが通用するか否か。そこは一見の価値があった。

 ただ、イランの激しい守備は予想以上で、前半の日本はほとんど攻めの形を作れなかった。「フィジカルの強い相手にどう戦っていくのかを考えなきゃいけない」と香川真司(ドルトムント)は苦渋の表情を浮かべたが、柴崎にしても同様に不完全燃焼感を味わったに違いない。ゲームメークになかなか関与できず、決定的なパスを出せないうえ、球際の部分でほぼ競り負けていた。柴崎らしい輝きが潜めたまま、後半72分に柏木陽介(浦和レッズ)との交代を強いられたのだ。

「なかなか効果的な攻撃ができなかった。シュートが少なかったんで、自分がもっと前線に配給することも必要ですし、ゴール前での攻撃を増やさないといけない。中盤の組み立ては問題ないかと思うので、そこから先のクオリティを考えないといけない」と彼自身も内容には満足していなかった。

 ハリルホジッチ監督も強調するデュエル(決闘)の部分は柴崎にとって以前から指摘されている課題の1つ。9月のカンボジア戦(埼玉)以降、長谷部と山口蛍(セレッソ大阪)のコンビをボランチに据えているのも、その部分で強さを発揮できるからだろう。

 ただ、本田圭佑(ミラン)はこの問題点をそこまで深刻には捉えていない様子。柴崎にこんなヒントを与えていた。

「岳には岳にしかない特徴があるんで、それをもっと出すために、このレベルに慣れていかないといけない。別に岳がパワーをつける必要はないと思うし。実際、(アンドレス)イニエスタ(バルセロナ)はそこまで球際強くない。そうならない(球際や局面で負けない)うまさがあるんですよね。このプレッシャーをいなす形を普段の練習や普段の公式戦から身に着けていけばいいだけ。スピード、フィジカル、ドリブル、テクニックという部分がまだまだ足りないということだと思います」