楽天監督時代の野村克也氏[Getty Images]

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 10日、『S1』(TBS系)に野村克也氏がVTR出演し、同日に行われたクライマックス・シリーズファーストステージ巨人対阪神戦を解説した。

 巨人の先発は今季阪神戦、3勝0敗、防御率1.50と相性の良いマイコラス。阪神はリーグ最多の221奪三振を記録した藤浪晋太郎が先発した。試合が動いたのは5回、巨人が先頭の井端弘和がライト前ヒットで出塁すると、続く小林誠司が送り一死二塁。ここで迎える打者は投手のマイコラス。マイコラスは藤浪が投じた2球目の150キロストレートを右中間に弾き返す二塁打で巨人が先制。野村氏は阪神バッテリーに「あ〜あ、そりゃやられるわ。なんで変化球いかないの?前の打席も全部真っ直ぐだよな。根拠が分からん」とバッサリ。巨人は続く6回に亀井善行のタイムリーで2点目を奪う。

 それでも阪神は7回、連打と犠打で一死二、三塁のチャンスを作り、野村氏から厳しい評価を受けた梅野隆太郎がセンター前タイムリーで1点を返す。なおも一死一、三塁で代打・西岡剛がセンターへの犠飛で同点に追いつく。

 その後、両チーム得点を奪えず試合は延長戦へ。延長10回裏、巨人は3つの四球で一死満塁とサヨナラのチャンスを作る。阪神のマウンドには左の高宮和也だったが、ここで巨人は代打に左の高橋由伸を送る。初球は高橋由が空振り。これには「巨人野球の象徴をしているよ。1球目に真っ直ぐが来ると思うのかね」と厳しいコメント。

 2球目はスライダーが低めに外れ1ボール1ストライク。3球目もストレートが外れボール。野村氏は「これで真っ直ぐを挟むでしょ。次は99%スライダーという雰囲気を作ったわけだよ。9割以上スライダーですよ」と予想。阪神バッテリーは高橋由に対して4球目、ストレートで見逃しストライク。「これは裏をかかれたやっぱりな。高橋の考えは俺と一緒だ。スライダーを待っていたんだね」とコメント。5球目はストレートが外れてフルカウント。運命の6球目は、ストレートが外れ巨人が押し出し四球でサヨナラ勝ち。巨人が大事な初戦をモノにした。

 そして最後に野村氏は「梅野よ、大一番こそセオリーだよ。(マイコラスへの)あの1球は納得できない。なんでストレートを7球も続けるの?阪神の弱点を見たような気がします」と詠んだ。