現場レベルに抽象度を落とす/泉本 行志
「自分はそうではない・・」
と言い聞かせるも、
「早く実績を上げなければ・・」
を焦りを感じたのを覚えています。
本屋にいけばたくさんのビジネス書があり、
いくらでも学ぶ機会があります。
○○理論、メソドロジー、フレームワーク などなど
こういった本を読むと、
何となく理解できた気になるし、
賢くなった気がします。
これさえ知っていれば、うまくできる気がする。
これを武器に戦えるような気になる。
うまくやれば、これでコンサルティングもできるかも。
知っていることと、実践で使えることとは、
雲泥の差があります。
そういった理論・メソッド、フレームワークを、
いかに現場に即した形に翻訳して、
実践に落とし込めるか。
ここが肝で、それができなきゃ、意味がない。
理論・メソッド、フレームワーク・・
の説明だけは物凄く詳しく力説できるけど、
リアルな現場の状況に直面しているのに、
永遠にウンチクの説明に終始してしまう人。
「理論だけ教えました。
フレームワークの使い方の例を示しました。
あとは現場の人たちが咀嚼して、
うまいこと使ってください!」
的な、自称ビジネスプロフェッショナルがいます。
そんな人をみると、
昔からよく言われる、
「できる人は自分でやり、できない人は教える」
という格言?が頭をよぎります・・
本や学校で、学んだ理論を、そのまま理論として教える
ことしかできない人は、アカデミックな世界の
講師にしかなれない。
でも、それってストリートスマートの真逆の方向。
英語が話せない学校の先生が、英文法を教えているのと同じ。
昨年出版した著書「3D思考」を読んでくれた
読者の方からの感想で、
「すばらしいフレームワークを学びました。」
とメッセージをもらいました。
ただ、3D思考に書いた、「レベル」「ポジション」「時間」
は、まず視点を動かす軸について書いたので、
フレームワークとして示したつもりではないんです。
もし、フレームワークとして使おうとすると、
こんな抽象度の高い切り口では、
そのまま現場で使えこなせないでしょう。
大切なのは、
抽象的な理論・フレームワーク、メソッドを参考に、
自分で情報を調理して、具体的な話を導き出だすこと、
そして、具体的なアクションを生み出す。
「抽象的なものから、具体的なものへ落とし込む」
これができる人がすごい。