もう一つの本当の私/内藤 由貴子
こんにちは。フラワーフォトセラピストの内藤由貴子です。
前回は、「本当の私 アナ雪編」でした。
今日は、もう一つの「本当の私」について、続けましょう。
● 「まれ」に見る本当の私
2、もうひとつは「まれ」の主題歌にある「本当の私」です。「まれ」は、今年の9月まで放映されていたNHKの朝ドラです。
「まれ」をご覧でなかった方のために、簡単にストーリーをお伝えします。
父親が大きな夢を追いかけた結果、まれが子どもの頃に破産、一家は能登で再出発をはかることに。まれは、夢を追うより安定した公務員になるが、子どもの頃から好きだったケーキ作りへの思いを絶てず、パティシエになるため横浜の一流シェフの元で修行、世界一をめざす。しかし能登の輪島塗の職人である同級生と結婚、能登で自分の店を持ち、子育てをしながら、再度世界一のパティシエを目指すという内容でした。
だから、このドラマの主題歌にある「本当の私」とは、可能性を追い求めて出会っていく私です。
実は、このまれ編の「本当の私」にもバリエーションがあります。
まれのように、「世界一のパティシエ」というはっきりした目標があって、それに近づこうとしている人なら、フラワーフォトセラピーの場合は、目標に向かって進む際、起こってくる不安や自信のなさなどの感情を解消し、さくっと前に進めるようサポートします。
- 本当の自分探し?
しかし、もっとずっと多いのは、「本当の自分探し」です。
たとえば、こんな相談です。
「今の仕事をしている自分は、仮の私。本当の私の道はなんなのでしょう?」
「好きなことを仕事にしたほうがいいよ、と言われたけれど、私が、好きなことって何なのでしょう?」
こういった相談は、一度や二度ではありませんでした。
こうした場合なら、どうすればいいのでしょう?もちろん、セラピストが、その答えを知っているはずはありません。ご自身さえわからない「好きなこと」を会ったばかりの他人が知るはずはありません。
セラピストがするのは、ご自身が知っているはずの答えを探すのを手伝うことです。
本当の道であっても、好きなことであっても、実は、心に深く沈めてしまって忘れてしまったことの中に、その答えはあるのではないでしょうか。
それこそ、まれではないですが、「夢みたいなことを追いかけても食べていけない」、「私には、特別な才能などない」などの刷り込みのようなもの。それも、何らかの感情が、その刷り込みの接着剤になっています。 フラワーフォトセラピーでは、その接着剤になっている感情、たとえば、恐れや自己否定感などを分析して、対応する感情を表現する花の写真で、感情を解消します。
一方で、いつか別の存在としての「本当の私」になれると思っていれば、今の現実は仮のもの。そんな時、今の仕事を含め「自分が現実を否定したい何か」にある背後の感情を先に消す必要がある場合もあります。
● 「本当の自分探し」を超えて
でも、それらの感情を解消したらすぐ「自分は〇〇の道」や「〇〇が好き」と答えが出ることを期待しないでください。大きな可能性を秘めたあなたは、そんなに簡単ではないはずです。
よけいな刷り込みや感情などに邪魔されなくなってようやく、過去の自分、心の奥の気持ちを素直に受け容れられるようになります。
実は「自分の知っている答え」が見つかったとしても、ただの種にすぎないのです。
また、もし見つからなくても、踏み出す方向が、「なんとなくそっち」とわかれば、しめたもの。「そっち」に一歩踏み出せれば、道はついてくるのですから。
あなたを含め、誰もあなたの未来を知る人はいません。歩くことで、多くの人との出会いがあり、他者からは、自分を客観的にとらえる機会が得られるでしょう。
そうやって今、気づいてなくても持っている種は育てられ、いずれ、つぼみをつけ、花を咲かせます。その花こそ、未来の「本当の私」。だから、本当の私は、今の自分を出発点にすることしかないのです。
「アナ雪」、「まれ」のどちらにも共通するのは、自分はどう生きたいのか、なのです。
そして、フラワーフォトセラピーは、後悔しない生き方をサポートする場。
先回、書きましたようにセラピーは、そんな風に利用いていただいています。
どうぞよろしくお願いいたします。