INSIGHT NOW! 編集部 / クイックウィンズ株式会社

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今日、10月6日は「役所改革の日」です。

出展が不明ですが、「すぐやる課」の設立にちなみ「役所改革の日」と呼ばれているようです。

そのキャッチ―なネーミングにより、マスメディアにも多く取り上げられた松戸市の「すぐやる課」は、昭和44年(1969年)10月6日に発足しました。この年に就任したドラッグストア「マツモトキヨシ」の創設者でもある松本清市長が提唱した「すぐやらなければならないもので、すぐやり得るものは、すぐにやります」という精神に沿って、今も市民のために要望処理を行っています。

昭和44年というと46年前です。正直、役所改革というのは、そんなに前からはじまっていたのかと驚きます。その割には、あまり改革が進んでいないように感じませんか。

一般人なので接する場所は限られていますが、窓口業務ひとつとっても、役所の相変わらずさを感じてしまいます。窓口で渡される書類は、過去の不備の蓄積から生まれたのであろう、よくわからない注意書きが山ほど並び、そのためにかえってわかりにくくなり、何度も訂正させられます。担当者の手元にはたくさんのゴム印が並べられ、せっかくプリント出力された書類に手書きの書き込みをしてゴム印を押す、なぞの事務プロセスが当たり前のように続けられています。

かつて、ある自治体のシステム化を担当したチームでは、「B5の縦書き書類を印刷すること」にこだわられて困ったり、際限なく外字を登録させられたり、一般企業では考えられない特殊な要件に苦しめられたものです。それどころか、かつて地方公務員の労組では職場へのパソコンの導入による業務効率化に反対する「反合理化主義」を掲げた活動をしていたほどです。役所を変えるというのは、とにかくむずかしいことなのでしょう。

「すぐやる課」的な組織も、松戸市を真似ていくつか作られたようですが、その内容は徐々に硬直的になっていき、決まったメニューの要望を決まったように処理するようになります。予算をとって予算内で仕事をする役所の仕組みだと、年度末に予算が足りなくなっても、余ってもいけないので、決まったことを決まったようにする方が、都合が良いためどうしてもそうなります。

この構造的にむずかしい役所改革に挑まれている人々に敬意と期待を込めて、役所改革の日を広めたいと思います。