ここまでのプロ志望届提出者の顔ぶれを紹介!

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 プロ志望届けを提出した球児は9月18日時点で39名となった。まだ連休明けも、提出者は増えていくが、一度、ここまでどんな選手が提出しているのかを紹介していきたい。

右投手では高橋 純平、原 嵩、小孫 竜二が提出

高橋 純平(県立岐阜商)

 右投手でプロ志望届けを提出した球児の中でトップクラスは、高橋 純平(県立岐阜商)だ。最速152キロを計測するストレート、キレのあるスライダーを投げ分ける投球術、投球フォームの完成度の高さから選抜後すでにドラフト1位候補の評価であった。夏前まで順調に調整をしていたが、大会2日前に肉離れ。準々決勝で登板したが、立ち投げで非常に負担がかかりやすいフォームから140キロ台のストレートを投げていた姿を見た小川 信和監督は、「これでは間違いなく故障すると思ったので」と判断し、1試合登板に終わった。

 夏の大会後はじっくりと治し、U-18ワールドカップへ向けて準備をしていた高橋。U-18では主に抑えの登板だったが、復調した姿を見せた。本人にとっては100%の投球は出来なかったと語っているが、いずれにしろ、今年の高校生を代表する右腕が元気な姿を見せたのは、明るい材料である。

 霞ヶ浦の投手育成メソッドで大きく伸びた綾部 翔は、フォームの完成度の高さ、投手としての将来性の高さはずば抜けており、大化けする可能性を持った好投手だ。

 また140キロ台のストレート、スライダー、フォークで圧倒し、打者としての才能も優れた右腕・原 嵩(専大松戸)、最速145キロのストレート、多彩な変化球で淡々とピッチングを組み立てる小孫 竜二(遊学館)、恵まれた体格から140キロを超える直球、キレのある変化球で勝負する山田 大樹(菰野)は、打者としても潜在能力が高い。常時140キロ中盤の速球で勝負する望月 惇志(横浜創学館)は恵まれた体格を生かす技術を次のステージで身に付けることができるか。また、140キロを超える直球を武器にする野澤 佑斗 (つくば秀英)も注目度が高い。

 187センチの長身から最速146キロのストレートを軸に、粘り強い投球で沖縄大会ベスト8に導いた與那原 大剛(普天間)もプロ志望届けを提出するなど、ここまで馬力があり、潜在能力が高い速球派右腕がプロ入りの思いを表明している。

ドラフト志望届提出選手のインタビューはこちら!高橋 純平投手【前編】(2015年03月12日公開)高橋 純平投手【後編】(2015年03月13日公開)

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[page_break:全国レベルの高橋 奎二など潜在能力が高い左腕が提出]全国レベルの高橋 奎二など潜在能力が高い左腕が提出

高橋奎二(龍谷大平安)

 続いて左腕投手を見ていこう。全国的な知名度がある左腕は高橋 奎二(龍谷大平安)。右足を高々と上げたライアン風フォームで、140キロ前後の速球、多彩な変化球で勝負する実戦派左腕だ。

 他では全国的な知名度はないが、磨かれれば大化けする要素を秘めた投手たちが多い。巽 大介(岩倉)は1年秋の段階で、素質はすごい投手だと、注目を集めていたが、これまでなかなか思うような投球ができなかった。それでも、最後の夏に好投をみせた。しなやかなフォームから繰り出す140キロ台の速球は魅力的だ。大関 友久(土浦湖北)も140キロは超えることはなかったが、角度ある速球と曲りが大きなカーブが持ち味で、何かきっかけをつかめば、爆発的な成長が見込める投手。

 呉屋 開斗(八戸学院光星)は、角度ある速球を武器にする投手。こちらも体ができて、強い腕の振りができるようになれば、さらに面白い。龍頭 大夏(大牟田)もコンパクトなフォームから140キロ前後の速球、キレのあるスライダーで勝負する好左腕で、ここまで提出した投手の中ではフォームの完成度は高い。また最速144キロ左腕・内田 大貴(誉)は投手としての完成度の高さ、ストレートのキレは申し分なく、ドラフト直前になると名前が浮上してきそうだ。

野手ではオコエ 瑠偉、勝俣 翔貴、姫野 優也が提出!

オコエ 瑠偉(関東一)

 次に野手に目を向けると、今年の高校生ナンバーワン野手として評価を受けるオコエ 瑠偉(関東一)がプロ志望届けを提出した。走攻守のポテンシャルの高さはどの球団も評価しているが、オコエの良さはその身体能力の高さを生かす思考力と感性の高さだ。彼の向上心、野球に対する探究心の深さは、周りの高校生プレーヤーより、ずば抜けたものがある。

 またU-18で打点王、首位打者を獲得した勝俣 翔貴(東海大菅生)も提出した。打撃の完成度、潜在能力の高さは今年の外野手でもトップクラスの逸材だ。

 捕手では、ディフェンス力の高さはナンバーワンの柘植 世那(健大高崎)、春から攻守で大きく成長した堀内 謙伍(静岡)、下級生の時から大型捕手として注目されていた下地 滉太(日大藤沢)、対応力の広さを誇る打撃、強肩が光る谷川原 健太(豊橋中央)。また高校通算97本塁打を記録した黒瀬 健太(初芝橋本)は、捕手としてよりも長打力を評価されている趣があり、内野手としての出場が多くなりそうだ。長打力ならば千葉県ナンバーワンのスラッガー・網谷 圭将(千葉英和)は、強肩で、入学時よりスリムになったことで、体のキレが出てきた。伸びしろがたっぷり詰まった逸材である。

 内野手では長打力のある大型遊撃手・渡辺 大樹(専大松戸)、長打力、脚力、メンタリティの強さを兼ね備えた廣岡 大志(智辯学園)、岐阜県内では大型内野手として評判だった米田 虎太郎(帝京可児)、三重県内では投打でパワフルな姿を見せていた出口 匠(津田学園)も提出している。

 外野手では姫野 優也(大阪偕星学園)も提出した。姫野は投手として投げていたが、夏でのパフォーマンスは圧倒的に野手としての才能の高さが光った。長打力、脚力、投手として140キロ以上を投げる肩の強さ、守備力の高さを発揮。投手では全国レベルで見ると平均的なレベルかもしれないが、野手ならば全国屈指のポテンシャルを持った選手だ。同じく走攻守三拍子揃った強打の外野手・大瀧 愛斗(花咲徳栄)も注目だ。

 24日以降も有力選手がどんどん提出することだろう。提出〆切時には今年の高校生のドラフト候補を一挙に紹介していきたい。

(文=河嶋 宗一)

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