左から 高校時代の松井 裕樹選手と山田 将士選手

 激戦の神奈川においても毎年、上位に食い込み安定した実績を残す桐光学園。その理由を一つ挙げるとすれば、攻守ともに基礎がしっかりした選手が多く、レベルの高い野球を実践しているということだろう。今回はそんな桐光学園のつながりを見ていきたい。

夏4度の出場 松井 裕樹も夏に輝いた

 1978年に開校と、まだまだ歴史の浅い桐光学園。甲子園に初出場を果たしたのが2001年選抜。いきなりこの世代の注目右腕であった秦 裕二(横浜ベイスターズ-富山サンダーバーズ/現 富山GRNサンダーバーズ)擁する智辯学園と対戦。7回表に一挙5点を先制すると、この先制点を見事に守りきり5対2で初出場初勝利を収めた。3回戦ではこの大会ベスト4となる宜野座に3対4で敗れたが、全国でも戦えるチームだということを示した。

 翌年2002年には初の夏の甲子園出場を果たし、1回戦で鳥栖と延長13回に及ぶ試合を制し2回戦進出を決めると、2回戦でも5対0と桜美林を完封し、ベスト16入り。そして2005年夏の甲子園でもベスト16入りを果たすと、さらに2007年にも神奈川大会決勝で東海大相模を破って3度目の甲子園出場を決めた。

 そんな桐光学園の名が一躍、全国的に知られるようになったのは2012年。当時2年生だった松井 裕樹投手(東北楽天ゴールデンイーグルス)の活躍により、夏の神奈川大会準々決勝で、2011年春からの4季連続甲子園出場を狙っていた横浜を破ると、続く準決勝で平塚学園を、決勝では桐蔭学園を撃破し5年ぶりの甲子園出場を果たす。全国の舞台でも松井投手は躍動。初戦の今治西戦で22奪三振の快投で勝利し、勢いそのままにベスト8入りを果たした。

 その後の甲子園出場はないものの、全国トップクラスの神奈川で安定してベスト8、ベスト4を維持。今年の夏もベスト4まで勝ち上がり、準決勝では横浜と延長戦に及ぶ接戦を演じている。激戦区の神奈川を勝ち抜く絶対的な実力を身に付け、再び甲子園出場を果たせるか注目である。

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[page_break:早稲田大、慶応大など強豪大学へ進む卒業生たち]早稲田大、慶応大など強豪大学へ進む卒業生たち

ここからは卒業生について紹介をしていきたい。早稲田大、慶応大、青山学院大など東京六大学、東都大学に進む卒業生が多く、またしっかりと活躍をして社会人でも続けている卒業生が多い。大学でも活躍できる人材を育成できるところはさすがである。今年も打力が高い選手が多く、次のステージでも活躍することに期待したい。

■2008年卒・政野 寛明(青山学院大−セガサミー)

■2009年卒・筒井 章平(青山学院大−鷺宮製作所)・建部 賢登(法政大−東京ガス)

■2010年卒・東條 大樹(青山学院大−JR東日本)・東條 航(早稲田大−JR東日本)・松本 大希(慶應義塾大−JX-ENEOS)

■2011年卒・佐々木 駿(国学院大−三菱重工広島)

■2012年卒・柏原 史陽(同志社大)・菅原 善敬(関西学院大)・久保田 佳(神奈川大)

■2013年卒・鈴木 拓夢(青山学院大)・山口 翔大(慶応大)・宇川 一光(東京農業大)

■2014年卒・松井 裕樹(東北楽天ゴールデンイーグルス)・水海 翔太(法政大)

■2015年卒・山田 将士(青山学院大)・武 拓人(早稲田大)・竹中 俊貴(国学院大)・伊藤 翔大(立教大)・坂本 憲吾(立教大)・伊藤 弘法(立正大)

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