9連敗中の西武ライオンズ・田辺徳雄監督©BASEBALLKING

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 優勝確率が100%だったチームが苦しんでいる。

 3位の西武は9連敗で、今季初の借金生活に突入した。西武は、春先好調で開幕5連勝を飾った。1979年に西武ライオンズとなって以降、開幕4連勝以上したシーズンは全て優勝している。

◆開幕4連勝以上したシーズン

・90年 開幕5連勝 → 優勝(81勝45敗4分)☆日本一

・91年 開幕8連勝 → 優勝(81勝43敗6分)☆日本一

・02年 開幕4連勝 → 優勝(90勝49敗1分)

・15年 開幕5連勝 → ?

 この法則でいくと、優勝確率は100%だが、ジンクスが途切れそうだ。一時はソフトバンク、日本ハムとともにリーグ優勝争いをしていたが、現在9連敗中で気が付けば、首位ソフトバンクと14ゲーム差。西武は3位にいるものの、4位ロッテとゲーム差がなくなった。後ろを振り返れば、5位楽天が4ゲーム差、6位オリックスが6ゲーム差に迫ってきており、優勝争いどころかCS争いに巻き込まれている。自力優勝も消滅しており、リーグ優勝が厳しくなってきた。

 セ・リーグでは中日が4月にナゴヤドームで月間最多タイの11勝を挙げた。これは、リーグ優勝した04年と10年に並ぶもので、優勝確率は100%。2年連続Bクラスだったチームとは思えないほど好調で、4年ぶりのリーグ優勝も夢ではないと思われた…。

◆ナゴヤドーム月間最多勝利

・04年8月

11勝2敗 → 優勝(79勝56敗3分)

・10年8月

11勝2敗 → 優勝(79勝62敗3分)

・15年4月

11勝3敗 → ?

 だが混戦のセ・リーグで、唯一借金が2桁を超え、首位と8ゲーム差の最下位に沈んでいる。こちらもリーグ優勝が、厳しい状況。今季の中日を見てみると3、4月は15勝15敗の勝率5割だったものの、5月以降は全ての月で負け越している。

 野手の世代交代、先発の駒不足、勝ちパターンのリリーフの固定など課題は多い。とにかく、今の中日はリーグ優勝を目指しながら、チームを立て直すことを優先しなければならない。

 ジンクスが途切れそうな2チーム。今季終了後に、微笑むことはできるのだろうか。