ディスクユニオン新宿本館2F レコードアクセサリー館のプレイヤー売り場。レコードやレコードプレーヤーに関わる様々なグッズも販売している。

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最近になって人気再燃していることでしばしばニュースになっているアナログレコード(以下、レコード)。日本レコード協会『日本のレコード産業 2015』によると、2014年のレコードの生産数は前年比149%、売上金額は166%と、その復活ぶりは数字にも表れている。

だが「じゃあ自分もレコードを聞いてみようかな」と思ったとき、二の足を踏む理由になりがちなのがレコードプレーヤーの問題。「プレーヤーって高そう」「今も新品のプレーヤーなんて売ってるの?」と思っている人もいれば、「スピーカーとかいろいろな機材をそろえるのが面倒そう」というイメージを持っている人もいるだろう。

そこで今回は、ディスクユニオン新宿 CD・レコードアクセサリー館の小林光宏店長に話を伺い、レコードプレーヤーの現状と、初心者におすすめの機種を教えてもらった。

まず、新しくレコードプレーヤーを買い求める人は「やはり最近とても増えている」とのこと。

「若い方を中心に『はじめてプレーヤーを買うんですけど、どれがいいですか?』と相談を受けることも多いですね。お勧めするプレーヤーは、その方の音楽の聞き方や、音質へのこだわりなどにより変わりますが、『とにかく手軽に聞き始めたい』という方にはオールインワンプレーヤーを勧めています」(小林さん)

オールインワンプレーヤーとは、スピーカーやアンプなどを内蔵したプレーヤーのこと。レコードプレーヤーといえば、スピーカーなどに配線をして聞くもの……というイメージを持っている人もいるかもしれないが、オールインワンプレーヤーなら、コンセントにつなぐだけですぐに音楽が聞けるわけだ。またオールインワンプレイヤーには、持ち運びが容易なポータブルタイプもある。

「オールインワンプレーヤーは価格も手頃で、1万円前後でもある程度しっかりした音の出るものを購入できます。最近は海外のプレーヤーを中心にオシャレなものも増えていますし、レコードの音源をUSB経由でPCに取り込めるものもあります」(小林さん)

中でも小林さんが「コストパフォーマンスが非常に高い」と勧めるオールインワンプレーヤーが、IONの『AUDIO ARCHIVE LP』。お店での販売価格は9,980円(税込)だ。

「価格はかなり手頃ですが、太く大きい音がしっかり出るプレーヤーです。USB経由でパソコンに音源を取り込むことも可能ですね。デザインもシンプルで、木目調の落ち着いた雰囲気を気に入る方が多いようです」(小林さん)

一方で、インテリアとしても映えそうなオシャレなプレーヤーが、Crosleyの「CRUISER」というモデル。こちらは同店では17,280円(税込)で販売している。持ち運びも簡単なカバン型で、過去にはアーティストや有名キャラクターとコラボした限定モデルも販売している。

そして、プレーヤーの購入は初めてだけど、音にはちょっとこだわりたい……という人には、NEU『DD1200mkIII』を勧めることが多いという。こちらのプレーヤーの、同店での販売価格は29,800円だ。

「ポータブル以外の普通のプレーヤーで考えると比較的お安く、必要な標準機能がきちんとそろっています。また前の2機種との大きな違いは、カートリッジ(針が付く部分)を交換可能ということ。プレーヤーはカートリッジを変えるだけで大幅に音が変わるので、音質にこだわる方には交換可能なものがオススメですし、自分好みの音を探す楽しみも出てきます」(小林さん)

なお、プレーヤーの取り扱いや設置場所を含め、レコードやプレーヤーに関する初歩的な知識を知りたい人は、『はじめてのレコード』(DU BOOKS)などの入門書を読んでみるのもオススメだ。

1〜3万円程度の予算でもこれだけ選択肢があるのはうれしいところ。予算や設置場所なども考えながら、自分好みのプレーヤーを見つけてほしい!