認知症予防の可能性も こんなにすごかった!「チョコレート」パワーの最新レポート
「チョコは大好きだけど、太るのが心配」。もしあなたが今、体重を気にしてチョコを食べ控えているなら、少しもったいないことをしているかもしれません。
最新の研究によると、カカオ分70%以上のチョコレートを1日25グラム食べることで、血圧が下がる、HDLコレステロール(善玉コレステロール)値が上がるなどの効果が期待できることが分かったのです。
愛知学院大学と愛知県蒲郡市、明治が行った「チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究」によると、チョコレートを毎日一定量食べると血圧が下がる、HDLコレステロール(善玉コレステロール)値が上がるなどの効果が期待できるそうです。
体重、BMIへの影響なし
これは気になると、さっそく2015年5月19日に行われた「チョコレートの機能性と健康生活セミナー〜蒲郡市でのチョコレートの摂取による健康効果に関する実証研究最終報告会〜」(有楽町「東京国際フォーラム」)に出席。最新の発表を聞いてきました。
発表内容は、ずばり「日本初のチョコレート摂取による大規模研究」。2014年6月から7月にかけて、蒲郡市内外の45歳から69歳までの男女347人(男性123人、女性224人)を対象に行われました。
カカオ分72%の高カカオポリフェノールチョコレートを4週間、毎日25グラム(カカオポリフェノール量635ミリグラム、約150キロカロリー)ずつ食べてもらい、体重、BMI、血圧や血液検査の結果を比較したものです。
愛知学院大学心身科学部健康栄養学科の大澤俊彦教授によると、チョコレート摂取後は参加者の最高血圧が有意(統計的に偶然でない状態)で下がったうえ、血圧140以上の人では特に効果がみられたといいます。また、血管の中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を排除するHDLコレステロール平均値が有意にしたことも確認できたそうです。
チョコレートで気になる体重、BMIの増加ですが、実証研究の前後で変化は認められませんでした。今回のようなチョコレート摂取方法であれば、メタボリック症候群につながるような体重、BMI増加はみられないようです。
認知症、うつ病予防の可能性も?
最終報告会の講演中、大澤教授は「チョコレートを4週間摂取した後は、うつ病や認知症予防に効果が期待される『BDNF』」が有意で上昇している」と初めて発表しました。
脳内で記憶形成をつかさどる海馬に多く存在する「BDNF」は記憶・学習などの認知機能を促進するとされ、増加には運動、難しいことを考えるなどが効果的とされています。「BDNF」は加齢とともに減少。「BDNF」の減少とうつ病、アルツハイマー型認知症との関連性も指摘されています。チョコレートを食べると、認知症、うつ病予防への効果も期待できそうです。
日本チョコレート・ココア協会によると、12年現在の日本の1人当たりの年間チョコレート消費量は1.9キロ。世界一のドイツは1人当たり年11.7キロ、2位のスイスでは同じく10.5キロとなっており、日本人の5倍以上のチョコレートを食べていることになります。