気づけばもう7月、新入社員も会社に慣れてくる時期だ。しかし、今年初めて先輩になった人のみならず、毎年入ってくる新しい後輩との接し方には誰しも戸惑うもの。では、そんな新入社員にはどのように接したらよいのだろうか?

 株式会社リンクアンドモチベーションの調査によると、今年の新入社員は先輩・上司に対し「意見や改善点を聞き入れてくれること」、「自分の持ち味を考慮して話を聞いて欲しい」と思っているんだとか。

 では具体的にどのようにコミュニケーションを取ればいいのだろうか? キャリアカウンセラーとして活躍するNPOエンド・ゴール代表の大久保智規さんにお話を伺った。

 「まず表面化している良い部分に視点をあてて、その部分をどう伸ばしていこうか話し合うことが重要です。多くの人が後輩の『欠点』に視点を当ててしまい、それを治そうとするあまり『持ち味』『個性』が見えなくなってしまいます。自分の好き嫌いで相手を判断しないことも重要です」(大久保さん)

 後輩とじっくり話し、理解することが重要なのである。また、現在の自分の能力と後輩の能力を比べないことも重要だ。多くの場合、今の自分と後輩では、差があって当たり前なので、今の自分と比べてしまうと相手を「できない」と判断してしまいがちになる。こういった評価の仕方をしていると後輩のモチベーションを下げかねない。

 「もし未熟な意見であるならば『どうして取り上げられないのか』をじっくり説明しながら、意見を提案してきた姿勢を褒めてあげてください。また、まかせた仕事がもし失敗してしまっても責めないこと。『どうすればうまくいったか?』『何があったら成功したと思う?』とプラスの方向性を考えさせる言葉がけをするようにしましょう。結果がでなかった部分より、その中でもよかった部分に視点を転換させて褒めてあげることが、相手のモチベーションと能力を上げるポイントになります」(同)

 じっくりと相手の成長を待って、話し合い、理解する姿勢を持って接することが大事なわけだ。要するにオカン(母親)的なしつけの感覚が重要なポイントになるということ。オカン的といっても「押しつげがましい日本の説教かあちゃん」ではなく「柔らかい期待をする母親」的指導でなければ、部下は成長せず、モチベーションを上げない傾向にあるんだとか。

 後輩がどう成長するかは、先輩であるあなた次第といっても過言ではない。持論を押し付けず、説教臭くならず、温かいオカンのまなざしで見守ることで新人のハートを掴むのだ!(加藤克和/verb)

■関連リンク
株式会社リンクアンドモチベーションによる調査結果 - 株式会社リンクアンドモチベーションが新入社員約4000人に対して行った「ワークモチベーション調査」
「君ならできる!」 - 文中でコメントを寄せた大久保智規さんのブログ
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