5日、会見を行う日本経団連の奥田会長(撮影:徳永裕介)

写真拡大

日本経団連の奥田碩会長は5日の会見で、最近の経済動向について、「日本全体がまた、バブルのような雰囲気が出てきたのではないか」と懸念を示した。

 「今の株高の雰囲気を見ていると、『人が買うから俺も買う』という感じ」と述べた奥田会長は、「雑誌の広告でも『私はこうして何億円もうけた』というものをよく見る。若干、日本全体がまた金目当ての国になりつつあるな。政府も含めた国民全体が、バブルにならないように行動していかなければならないだろう」との見解を示した。また、メディアに対しては「最近のテレビの番組では、貧しい人がほとんど出てこない。負け組の苦しさなどを伝えることも大事ではないか」と要望した。

 円安が進んでいることに関しては、「3月期の輸出企業は採算ベースを1ドル110円ぐらいで設定しているので、こういう状態が続けば業績の上方修正がされるだろう」との見通しを示した。【了】