日本人は何も変わっていない。無定見に「正義」を着替え、いかなる「正義」にも便乗しない者を絶えず感情的に攻撃する。敗戦は、日本人がその責任から逃れるために、古い「正義」をスルリと脱ぎ、新しい「正義」を羽織った時代だった。そこには合理的説明も省察も何もなく、効力の失われた「正義」を捨て、新しい「正義」を拾うという、醜い自己保身があるだけだったのである。その過程で、いかなる「正義」にも阿らない人々