過酷な勤務シフトなど“ブラック企業”の烙印を押された面々の末路が見えてきた。居酒屋チェーンのワタミは当初、来年3月期に20億円の最終利益を予想していたが、一転して30億円の赤字に塗れる。前期に続いて2年連続だ。
 笑えないのがその理由。企業イメージの悪化もあって客離れが止まらなくなっていた矢先、人手不足解消のため60店舗の閉鎖を計画したものの、業績悪化から閉鎖店舗を100店に拡大することで特別損失が拡大する。これぞ「貧すれば鈍する」で、店舗の閉鎖ラッシュが負の連鎖となって同社の首を締め上げた。

 牛丼チェーン『すき家』を運営するゼンショーHDも負けていない。深夜営業を1人で行う“ワンオペ”が大問題となり、深刻な人手不足から深夜営業ができない店舗が全店舗の6割にも達し、来年3月期の最終赤字が従来予想の13億7000万円から75億3400万円に拡大する。8月中間期で増収増益となった吉野家HDとは対照的だ。

 一方、出口が見えないのは、この12月期に2001年の上場以来初となる営業、経常と“二つの赤字”に陥る日本マクドナルドも同じ。
 「中国の食品加工会社による期限切れ鶏肉問題が発覚し、顧客離れが進んだ事情はありますが、10月初めに開いたフランチャイズオーナーへの説明会が紛糾したように、彼らはマック経営陣への不信感を募らせています。既に『こんな会社について行けない』として店舗を売却した者もいて“集団離脱”に発展する可能性すらある。カサノバ社長の戦略が次々と裏目に出ているため、米本社との関係は相当にギクシャクしていますよ」(関係者)

 因果応報、悪因悪果--。“ブラック企業”各社の決算書が真っ赤ではシャレにもならない。