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2014年8月11日、日本でも人気がある俳優ロビン・ウィリアムズが急逝しました。『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』でアカデミー助演男優賞を受賞し、名優の名に恥じない演技でファンを魅了してきたロビン・ウィリアムズ。「なぜ!」という声が後を絶ちません。自殺の原因は重度のうつ病を患っていたことかと言われていますが、家族より、パーキンソン病の初期症状だったことも明らかにされました。

「スターになってチヤホヤされてみたい」と誰でもちょっとは思ったことあるでしょう。でも有名になり富と名声を得るということは、それと引き換えに大きな何かを失うこともあるようです。ロビン・ウィリアムズの悲報とともに、華やかなスターの裏の世界にスポットを当ててみましょう。

フツーじゃないのが当たり前? スターが依存症になる理由

ロビン・ウィリアムズは何度も来日していますが、「サービス精神旺盛ないい人」と評判はよく、周囲に気を使う性格だったようです。その一方、若い頃からドラッグとアルコール依存症で苦しんだという一面もありました。

ハリウッドスターに依存症に苦しむ人は多く、キルスティン・ダンスト、コリン・ファレル、ロバート・ダウニーJr.はドラッグとアルコールの依存症の経験があります。子役時代からスターだったドリュー・バリモアは学校でいじめにあい、9歳で飲酒と喫煙、10歳でドラッグを経験し、13歳でリハビリ施設に。よくぞ克服したものです!

日本でもASKAの例がありますが、スポットライトをあびてハイな気持ちでいたいという思いや、常に人に見られている状態が、フツーじゃない生活を引き寄せてしまうのでしょう。子役からドラマ『The O.C』で人気女優になったミーシャ・バートンは精神科に入院経験もあり、「若い時からエンタメ界にいるのはタフなこと。周囲の人は余計なことをいろいろ言って来るから」と、スターとして生きることの難しさを語っています。

ロビン・ウィリアムズは大勢の前だとサービス精神を発揮して明るくにぎやかだったそうですが、一対一になると無口。そんな人がひとりになったら……孤独感への恐怖が彼を飲酒やドラッグに走らせたのかもしれません。彼に対して、同じパーキンソン病と闘うマイケル・J・フォックスは「ロビンがパーキンソン病だったことに驚いています。彼が前から私たちのパーキンソン病財団をサポートしてくれていました。真実の友よ、安らかに」とメッセージを送っていました。ウィリアムズに病に立ち向かい乗り越えるマイケルのような強さがあったらと思わずにいられません。

亡くなっても私生活をおびやかされるスター

ロビン・ウィリアムズの亡き後、娘のゼルダさんはツイッターとインスタグラムのアカウントを休止。その理由は、心ない言葉の攻撃や過去を掘り起こすような非情な行いをするユーザーが、ゼルダ嬢の悲しみにくれる心をさらに傷つけてしまったからです。

ホイットニー・ヒューストンもホテルで事故死したとき、遺体の写真がダブロイド誌に掲載されたり、現場に駆け付けた刑事部長が遺体を見て性的な発言をして問題になったり、美声で一世を風靡したスター歌手の最後を汚すような出来事がありました。もちろん多くのファンは感謝と哀しみのメッセージを送っていますが、一部の非常識な他人が故人と家族を苦しめることは少なくないのです。

ロビン・ウィリアムズにはいつでも会える!

しかし、スターとして生きる人は、亡くなってもその魂を出演作として残すことができます。亡きあとも多くの人を楽しませたり、感動させたり、元気づけたりできるのはスターならではでしょう。ロビン・ウィリアムズも然り。彼には数多くの出演作がありますし、すでに撮影を終えた新作も数作品。その中でも人気シリーズの第3作目『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』は、2015年3月に日本公開予定です。シリーズ第1作から出演しているウィリアムズは、再びルーズベルト大統領役で笑わせてくれるはず。

自分の生きてきた軌跡が多くの人に愛されるなんて、それはスターにとって最大の喜びであり、醍醐味! 普通では考えられないほど大変なこともあるけれど、歴史に名を残すことができるのは凄いこと。ロビン・ウィリアムズも映画史に名を残すスター俳優であることは間違いありません。

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(斎藤香)