日本時代の建築物を守れ  有志らの保存運動が活発化/台湾・嘉義

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(台北 4日 中央社)解体の危機に瀕している日本統治時代の1936(昭和11)年に建設された日新医院をめぐり、保存を求める団体が新株予約権を発行し、医療文化館としての活用に向けた取り組みを始めた。台湾の複数メディアが伝えた。

嘉義県朴子市にあるこの建物は、ト醒哲・元行政院衛生署長の祖父として知られる地元出身のト炉医師が建てたもの。“和洋台折衷”の建築様式が採用され、独特のたたずまいを今に残しているが、今後取り壊され、住宅が建てられる予定。(ト=さんずいに余)

保存を求める有志らは「日新医院保存協会」を設立。株価3000台湾元(約1万円)の新株予約権を発行し、3000万元(約1億円)を集めたいとしており、すでに文化部文化資産局組長や嘉義県政府文化観光局長、朴子市長などが支持を表明している。

雲林科技大学建築・室内設計学科の蘇明修助理教授は、6月末までに8割の意向書が必要で、将来的には朴子医療文化館を開設したいと話している。協会では医療関係の資料展示を行い、ヘルシーレストランやデザインクリエイト空間などとして活用したい考えだ。

(編集:齊藤啓介)