日本はまだXperiaの本当の魅力を知らない Xperiaの強さ支える海外で人気のモデル

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最近、日本のスマートフォン市場にも、自由化、グローバル化の動きがでてきているようだ。こうした動向きを良く表しているのが、大手流通グループ イオンが発表した音声通話+200Kbps対応の低価格SIMカード(日本通信)とNexus 4(Google)のセット販売だ。

このような展開はNTTドコモから回線を借りて格安の通信プラン提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)の存在が大きいわけだが、注目したいのは国内製の高額な顛末ではなく、低価格なグローバル仕様のSIMフリースマートフォンと組み合わせている点だ。

実は、こうした展開はグローバル市場(海外市場)で多くみかける一般的な方法なのだ。グローバル市場では、早くからSIMフリーのスマートフォンが各社から発売されている。日本ではスマートフォンは通信キャリアが販売することが前提となっているが、海外では通信キャリアの販売だけではなく、メーカーによるSIMフリースマートフォン販売も普通に行われており、特にアジア各国のSIMフリーモデル販売は活発に行われている。

これは国内だけでなく、海外展開もしている人気のXperiaシリーズも同じだ。
実は、海外のXperiaは、国内のXperiaとは多い区違う一面をもったブランドなのだ。

●日本ではハイエンドだけのXperiaも海外では低価格モデルも提供
日本で人気のソニーモバイルコミュニケーションズのXperiaシリーズも、海外ではSIMフリーや低価格モデルなど、多様な製品が販売されている。日本でXperiaといえば高性能なカメラや音楽機能に強いハイエンドモデルというイメージが強いが、海外では日本とは異なり、低価格モデルをはじめとして幅の広いレンジの製品が販売されているのである。

Xperia Z Ultraより4割安!アジアで人気爆発の6インチXperia T2 Ultra
この春発売になったXperia T2 Ultraは、アジアを中心に人気の高い大画面モデルだ。
日本で大画面XperiaといえばXperia Z Ultraだ。もちろんXperia Z Ultraは海外でも販売されているが高価格モデルという位置づけだ。一方、Xperia T2 Ultraは、手軽に買いやすい低価格な大画面モデルなのだ。

Xperia T2 Ultraは低価格な大画面モデルとして中国などでは、早くも人気になっているほどだ。

Xperia T2のスペックだが、6インチ、1280x720ピクセルのディスプレイ、13メガピクセルカメラ、クアッドコア1.4GHzのCPUなど、日本市場でも十分通用する性能である。この性能で価格は4万円台前半と、Xperia Z Ultraよりも3〜4割は安いのだから人気が出るのも納得だ。


6インチの大画面モデルXperia T2 Ultra。日本にも欲しい製品だ


●低価格なXperiaが選び放題
実は、海外のXperiaシリーズは、低価格なモデルも豊富に揃っているのだ。
特に、低価格Xperiaモデルは、プリペイドSIMカードや低価格なSIMカードを利用するユーザー層に指示されており、大きな人気製品となっている。

2013年春に発売されたXperia Mは、4インチディスプレイのコンパクトなモデルで価格は1万円台だ。この価格なら学生がお小遣いを貯めても買える金額だ。また、SIMフリーモデルの本体価格なので、日本のキャリアのような煩わしい2年契約も不要だ。スマートフォンを初めて使おうと考える若年層にとっても無理なく購入できる。

この他にも3万円を切る低価格なLTE対応スマートフォン、Xperia Lや、SIMカードを2枚装着できるデュアルSIM対応のXperia E1 Dualnなど、日本では通信キャリアが導入しにくい製品も、海外ではSonyが自ら販売しているのだ。


デュアルSIMカード対応スマートフォンも。Xperiaシリーズも幅広い製品が海外では販売されている


日本でのXperiaは、ハイエンドなモデルが2年契約で安価に購入ができる。しかし、海外で提供されているような単体で低価格で購入できる製品は皆無に等しい。海外市場では日本と同様のキャリアによる割引販売に加え、単体購入できる低価格モデルがあるなど、ユーザーの選択肢が多くある。

日本でも格安な通信プラン(SIMカード)の種類や提供が増えた。自分に適した通信プランとスマートフォンを自由に組み合わせる環境も整いつつある。

日本でも、海外市場のように低価格からハイエンドまでの多様なモデルを、日本のSonyストアでも販売して欲しいものだ。

余談だが、SIMフリーのスマートフォンは、旅行者が海外のお土産で購入するケースが多い。香港や韓国のAppleストアや販売代理店では、旅行者向けに外国語が出来る店員を配置してSIMフリーiPhoneを販売しているほどだ。できれば2020年の東京オリンピック開催時には、外国人向けのお土産として、ぜひ日本のSonyストアでSIMフリーXperiaを販売してもらいたいものである。


山根康宏