1インチ1万円切れば買いか? 4Kテレビの買い時はいつごろか考える 【デジ通】
4Kテレビは世界中で各社から発売されるが


フルHDの4倍の解像度になる4Kテレビが、国内メーカー各社から続々と発表されている。画面のサイズは50インチ以上と現状はリビングに置くメイン向けとなっているが、その価格は1インチあたり1万円程度となっており、50インチで50万円と非常に高価になっている。これからも順次新モデルが発売されていくだろうが、4Kテレビの問題点と買い時を考えてみたい。


■4Kを楽しめるコンテンツが不在
4KテレビはフルHDの4倍の解像度なので、もし対応コンテンツがあれば従来のフルHDテレビ以上の非常に高精細な画像を楽しめる。しかし、Blu-rayやテレビ放送はフルHDまでの対応で、4Kに対応したコンテンツは、現在はほとんど無い状態だ。

多くの4Kテレビには、従来の映像を4Kに変換する回路などで高画質に表示する仕組みも組み込まれているが、あくまでもソフトウェア的な補間であり、4Kの高画質を本格的に楽しむには対応コンテンツが不可欠になる。

いま現状で高解像度の恩恵を受けることができるのがデジイチなどで撮影した高解像度のデジカメの静止画などだ。各社の4KテレビはSDカードなどの静止画データを4Kテレビに表示する機能があり、静止画を高精細な大画面で楽しめる。

■現在のHDMI1.4は完全対応していない
現在、大画面テレビなどとゲーム機やパソコン、HDDレコーダーを接続するインターフェイスは、HDMIが使われている。そしてこのHDMIの最新バージョンは1.4だ。

1.4では4Kの3840×2160の解像度に対応しているが、画面の1秒あたりの書き換え回数を表すリフレッシュレートは30Hzまでだ。これでもとりあえず必要十分な画質が得られるが、現在のフルHDなどで使われ、より高画質なリフレッシュレートは60Hzだ。

このリフレッシュレート60Hzで4Kに本格対応するHDMIのバージョンは2.0だ。このHDMI 2.0は現在策定中で、2013年中に正式版が登場予定となっている。

■4Kの番組もまだ登場せず
総務省は2014年夏に4K放送を衛星放送で始めようとしている。4Kテレビに内蔵されているチューナーが、新しい4K放送に対応していなければ放送は直接受信できないようjになっている。

HDMIなどで対応チューナーを接続すれば表示することはできるが、放送規格や日本や各国での放送の詳細がいまだ定まっておらず、事態は流動的だと思っていい。まだまだ決まるのは先になるかもしれない。

■4Kの次は8Kだが・・・
4Kの次はさらに4倍の解像度となる8Kのテレビが登場する予定であることがすでに決まっている。8KはフルHDと比べると16倍の解像度だ。仮にHDMI 2.0やチューナーなどが4Kに対応し、奮発して4Kテレビを購入しても、数年後にはさらに高画質な8Kテレビが登場してしまうのだ。

8Kは当初2016年の試験放送を予定していたが、2014年に前倒しすると言われている。となると4Kテレビが、最高画質のテレビ機器として存在できる期間は、ほとんどないかもしれないのだ。

現在の4Kテレビは、高価なことなどをあまり気にしない人であれば、ちょっと値段が高くて4Kも表示できるフルHDテレビとしてであれば、おすすめできる製品だ。しかし、現時点で対応コンテンツがなく、HDMIの対応も不十分、放送がどうなるかも未知数、さらに最新である期間がそれほど長くない。

正直言うと4Kテレビをスルーして8Kに乗り換えるというのが現状では正しい選択のように思える。いずれにせよ4Kという言葉だけに踊らされずに、慌てて4Kに買い替えずに今後の成り行きを見守って行く必要があるだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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