上記のような認証がすべてOKとなると、ようやく「ウイーン」という音とともに、貸金庫のボックスが自動で運ばれる。

最後、利用後にボックスの鍵を閉めて「返却」ボタンを押せば、自動的に格納されて終了。

実際使ってみた感想だが、部屋は1人で使うのに十分広いので、貸金庫の中を悠々と確認できるし、誰にも会わずに利用することが可能なので、誰にも見られたくないものを入れていたとしても、安心して使える。

ちなみに、営業時間は元日を除く毎日8:00〜21:00(入室は20:40まで)で、土日祝も利用可能。

ところで、実際に貸金庫を利用している人たちは、何を預けているのだろうか。

引き続き松本さんに話をうかがった。

――利用者の皆さんは、実際にはどのようなものを入れているのでしょうか?松本さん「銀行員は、お客さまが何を保管しているか中身を見ることはできません。

ただ、窓口に相談に来られる方の中には、貴金属や土地の権利書を預けたいという方は多いですね。

最近では、ご家族のアルバムや切手などのコレクションを預ける方もいらっしゃるようです」――写真を貸金庫に預ける人もいるのですか?松本さん「はい。

東日本大震災では写真もすべて流されてしまった様子がテレビでも報道されました。

その影響か、大切な思い出の品を貸金庫に預ける方は増えているようですね。

当行では、ご契約いただいた貸金庫のサイズの範囲内で、危険物や食品などの変質の恐れがないものであれば自由にご利用いただけます」なるほど。

家族に内緒でヘソクリを隠すこともできるし、プライバシーが守られているので昔の恋人からの手紙やプレゼントをこっそり保管することもできる。

重要書類や思い出の品だけでなく、「誰にも見られたくないもの」を預けるのもいいかもしれない。

ちなみに、アンケートで「貸金庫に入れてみたいもの」も調査したので、それらが預けられるかも聞いてみた。

――読者からのアンケートでは、未来の自分への手紙など、タイムカプセルとして使いたいという回答がありました。

松本さん「自分へのメッセージを預けていただくのもおもしろいですね。

日記や手帳などを預けていただいて、後で読み返してもいいかもしれません」――続いて「奥さんや恋人に秘密の思い出をしまっておく」という意見もありました。

松本さん「ユニークなご利用方法ですね。

指静脈認証システム全自動貸金庫ではプライバシーが確保されていますので、自分だけの秘密基地としてご利用いただけるのではないでしょうか。

なお、貸金庫コーナーにはラウンジもありますので、預けたものをゆっくり、こっそりながめるのもいいと思います」――仕事関係の機密書類や個人情報の入ったUSBメモリーを預けたいというコメントも多かったですね。

松本さん「貸金庫は営業時間内ならいつでも取り出しできますので、重要な書類を預ける方も多いようです。

海外出張のときなど、帳簿やカギを一時的に預けておけば安心していただけるのではないでしょうか」――コレクション系では、記念コインや記念切手、骨董品なども人気がありました。

松本さん「大事なコレクションを保管する方もいらっしゃるようです。

盗難や紛失のリスクを避けることができますね」貸金庫は通帳や貴重品、書類だけでなく、思い出の品を預けるなど、さまざまな利用法があることがわかった。

しかも、月額2,000円台の利用料で貸金庫が借りられるとは意外だったが、ポイントサービスでさらに安くなることもわかった。

アイデア次第で利用方法はいろいろありそうなので、大切なものや、思い出の品、誰にも知られたくないものなどがある人は、ぜひ利用してみてはいかがだろうか?