オランダ・フーフトクラッセの強豪、DOORネプチューンズのフランス・ヴァンアーレン会長が、今季限りで会長職から退任することになりました。同氏は過去30年に渡り、ネプチューンズのトップとしてチームを引っ張ってきた重鎮。今回の退任により、ネプチューンズは1つの時代に終わりを告げることになります。

 ヴァンアーレン氏はこれまで、その卓越したマネジメント手腕により、数々の国内・国際タイトルをチームにもたらしてきました。その最初のタイトルは、1981年のフーフトクラッセ初優勝。同年には、イタリア・パルマで行われたヨーロッパカップにも出場を果たしました。しかしここ最近は、ネプチューンズは国内リーグのプレーオフや、ヨーロッパカップの予選ラウンドで相次いで敗れており、立て直しが急務となっていました。

 特に、今年2012年シーズンの戦いぶりは、同氏に退任を決断させる大きな要因となったよう。今年、地元ロッテルダムで開催されたヨーロッパカップの1次ラウンドでは、特に情報戦略の部分で多くの手落ちがありました。開幕戦となったルーアン・ハスキーズ(フランス)との一戦では、対戦相手のことをろくにスカウティングすることなく、6番手の投手を先発として起用。一方で、ハスキーズにはアメリカ人の実力者をぶつけられ、サプライズにあたふたしたまま敗れてしまいました。

 さらに第5戦でも、ネプチューンズはダネッシカフェ・ネットゥーノ(イタリア)に敗戦。ここでも、ネプチューンズは先発にドミニカ人エースのフアン・フィゲロアを立てた、相手チームについての研究を怠ってしまいます。大会中に、クラブ関係者ではない一般人から、ネットゥーノの中心選手に関する情報を聞かされるまで、対戦相手のことを何一つ知らなかった、というありさまでした。

 一方、フーフトクラッセのプレーオフにおいても、ネプチューンズは細かな部分でのほころびが目立ちました。前期王者のL&Dアムステルダム・パイレーツを第7戦で下し、2013年ヨーロッパカップへの出場権をほぼ手中に収めたネプチューンズは、プレーオフに出場した4チームの中で、最初にオランダシリーズへの進出を決めます。彼らがシリーズでの対戦相手として警戒していたのは、レギュラーシーズンでの優勝を果たし、2013年ヨーロッパカップへの出場を決めていたパイレーツ。ところが、実際に彼らの前に立ちはだかることになったのは、そのパイレーツを土壇場でひっくり返してシリーズ進出を決めた、コレンドン・キンヘイムでした。

 予想外の組み合わせに戸惑いを隠せなかったか、ネプチューンズはシリーズにおいてはあっさり4連敗。シリーズでのタイトルを持っていかれただけでなく、あともう少しで手が届くところだったヨーロッパカップへの出場権も、キンヘイムに奪われてしまうことになりました。この状況に危機感を抱いた球団は、シーズン終了後にコーチ2名を解雇。さらに今回、球団会長のヴァンアーレン氏も身を引くことを決断し、チームの立て直しに動くことになりました。なお、後任の最有力候補には、チームに長年にわたるスポンサーである、「DOORトレーニング&コーチング」のバート・ヴァンライク会長の名が挙がっています。

ソース:http://www.mister-baseball.com/era-neptunus-rotterdam/