11日、埼玉スタジアムで開催されたサッカーW杯ブラジル大会アジア最終予選B組=日本代表×イラク代表の一戦は、日本代表が1-0で勝利を挙げた。相手チームの監督が日本をよく知るジーコということもあってか、選手たちからは「やりにくかった」という声が多く聞かれた試合後。主要メンバーのコメントは下記の通りだ。

本田圭佑
「勝ったことは大きかったですね。それが一番の収穫です。個人的には決定力(不足)ということを相当露呈したと、そういう試合だったと思います。必ずああいうチャンスが来ると思っているだけに。

清武(弘嗣)には事前にパスを出すんだったらあそこに出せと言っていたのに、完ぺきなボールだったのに、あそこを決められるかどうかはちょっとした差ですけど、やはりビッグゲームになってくるとあそこがよく重要になると思うし、どうやったら改善されるかというと、シュートを打ち続けるしかない。なんぼ外してもそこなんで。誰か名ストライカーが言った言葉なんですが、『ゴールというのはケチャップみたいなものだ。出ないときは出ないけれど、出るときはドバドバ』(笑)って。

そういうものだと思うし。外しているときはどうしても悲観的になるけれど、しっかり反省してしっかり前を向いて。マンツーマンだったので、オランダ時代にマンツーもあったので、今日は正直試合が始まる前にマンツーだろうなと思って、そういうイメージもあったので、試合前からゴールのパターンもイメージできてて、相手の死角に入ったときはチャンスだろうなとわかっていたので、相手の見えているところで個人技でどうこうではなくて、消える動きがポイントかなと試合前から意識していたので、前半は相手も頑張っていたのでそのスペースがなくて、後半は絶対そこはできるだろうと、その動きまでは、もらう前までは狙いどおりでした。

監督は試合後にもっとゴールを取ってこいって。僕自身、自分自身に対して思うけれど、人からもっとゴールを取れって言ってくれるのは少ないから、本当に貴重な、監督としてというよりもアドバイスをしてくれる人として大切だと思いますね。全然僕に対して満足してるとか一切言わないんで、これはいい傾向にあるなと。その期待に応えたいですね」

駒野友一
「足でも点に絡みたかったです(笑)。サイドハーフもケアをされていたので難しかったのですが、その中でもオカ(岡崎慎司)ちゃんと崩せたのでよかったと思います。あと1試合ホームがありますが、今年のホームで全部勝点を取れたのはよかったと思います。コンディションを維持してこのまま行きたいですね。またJリーグで決めていきたいと思います」

――顔にも自信がみなぎってきたような……。
「そうですか? 前からですよ(笑)」

岡崎慎司
「今日は清武(弘嗣)が左に入るということで、あまり自分としては変わらないかなと。キヨがあっちでうまい具合に作ったら、自分は裏に抜けてチャンスを作るか、そのまま裏に抜けてシュートを打つかということでした。イラクだったらもっと自分たちのサッカーをしてきてガチでやるかと思っていたのですが、まさかはめてくるとは思わなかったです。裏(に抜けて)も全部(マークに)付いてくると思ったのですが、コマ(駒野友一)が持ったときには(自分を)見ていなかったので、そこで修正しました」

――香川真司選手の欠場はいつわかりましたか?
「今日の昼ですね。これからもこういうことはあるでしょう。でも自分としてはキヨもいたのでイメージは変わりませんでした」

前田遼一
――決勝点おめでとうございました。

「点は本当によかったです」

――しっかりとマンツーマンマークを付けてくる相手でした。
「そうですね。なかなかいい距離感でサッカーができないというのはありました」

――本田圭佑選手がマークを引き連れて動いて、その位置を意識しているように思えました。
「そうですね。圭佑からも(相手が)マンツーマンで来ているから、自分が空けたスペースを使ってどんどんボールを受けてと言われていました。でもちょっとボールを失いすぎました」

――やりにくい相手でしたね。
「確かにやりにくかったです」

――その中でのセットプレーから練習どおりの形でした。
「オカ(岡崎慎司)が最高のスピードの最高のボールをくれたので、オカのおかげかと思いました」

――中盤でボールが収まらなくて攻撃の形が作れないゲームだったと思います。
「そこで慌てなくても、必ずチャンスが来ると僕は思っていました」

――今年の自分の活躍を振り返っていかがですか?
「うーん、自分の仕事はできましたが、それ以外の、もう少しチームを助けるプレーをしたかったという感じです。もっと頑張ります(とニコリと笑ってバスに向かった)」

伊野波雅彦
――札幌の試合でも新潟の試合でもミスがありましたが、今日は先発で90分間プレーできました。

「迷っていた分もありました。戦術として。でも自分の良さを出さないと自分の感覚を取り戻せないと思ったので、とりあえず戦術も大事ですけれど、自分の前に行くという感覚を大事にして試合に入りました。(ザッケローニ監督の戦術に)とらわれすぎて、裏を取られたくないからディフェンスラインを下げてしまうというのがあったのですが、それでは自分の良さは生きないと思ったし、裏に出されてもそこでしっかり対応するというのが自分の特長でもあったので、そこをこの2日、3日前から考えていました」

――途中から相手の10番が出てきました。
「10番と5番の選手の対策は練習のときからやっていましたし、5番が持った瞬間に10番が動き出すというのはトレーニングの中でもしっかりやっていました。動き出しがうまい選手というのはミーティングでもやっていたので、そこは入ってきた瞬間に『来る』と思っていました。クロアチアでの経験もありますけれど、自分の中でもしっかり、自分の持ち味を出しながら戦術にはめようと思っていたのは、(戦術の中で自分の持ち味を出そうと思っていた)前の試合や前の前の試合とは逆だったので。どうしても一歩対応が遅れていたので、それを逆にしようと思っていました」

――点も取れそうでしたが。
「チームでやるときよりも代表のほうがマークに付かれないからゴールも取りたかったですね。ま、点を取れればよかったですが、ディフェンスとしては無失点で抑えられてよかったです」

――監督からは試合後に何を言われましたか?
「やればできるんだから、しっかりやれって(笑)。考えすぎというのがあったのじゃないかと言われました」