野球人生最大のスランプに喘ぐダルビッシュを尻目に、メジャー5年目のヤンキース、黒田博樹が"Big Apple=NYC"で存在感を増している。


 黒田の魅力は何といっても、スターターとしての安定感。今季序盤こそ好不調の波が大きく負けが先行していたが、シーズンが深まるに連れて本来のピッチングを取り戻し、8/10時点でのERA3.24はリーグ8位、AL EastのスターターとしてはD.プライス(レイズ)に次いで2位という素晴らしい成績。年齢的にスタミナ面が心配されるが、ここまで150IPもリーグ6位とシーズン通してのフル稼働で期待に応えている。


 いぶし銀ながらしっかりと良い仕事をこなす黒田を、普段は辛口のニューヨーカー達も大変気に入っている様子で、最近ではあのCC.サバシアを差し置いて「2012年ヤンキースのエースは黒田」という声まであがっている。名前の"Hiroki"とかけて黒田を"Hero"(英雄)と称するような記事も、NYのメディアでよく見かける。


「5月中旬以降、クロダはヤンキースのNo.1ピッチャーになっている!」

「CC.サバシアは、エース・クロダに次ぐ素晴らしいNo.2スターターだ」

「クロダはERAを3.19まで下げた。それも(強打揃いの)AL Eastで、加えて(ライト方向のHRが頻発する左打者天国の)ヤンキースタジアムで投げている右ピッチャーにも関わらず、だ。彼への信頼は今や揺るぎない」

「もしクロダが32とか33歳くらいだったら、文句なしに3年4500万ドルの契約を今すぐ結ぶだろうなあ」