李大浩が打点、本塁打の二冠王。私は、シーズン前に「李大浩は苦労するだろう」と書いた。
今のところ、李はNPBの野球に適応しているように思える。果たしてホンモノなのか。

李大浩の月次成績。

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4月までは、パリーグ投手の内角攻めに腰を引く姿が良く見られたが、少し打席の後ろ寄りに立つようになり、ゆったりと構えるようになってから調子が良くなった。

体が柔らかく、懐が深い。また、本塁打は右方向にも飛ぶようになった。今のところ順調。最終的にも27本、100打点という数字になる。

左右投手別の数字。

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左投手のスライダーに手こずっているのをよく見る。詰まることが多い。しかし、打者は右投手を打って何ぼだ。圧倒的に右投手が多いのだから。この数字も良い傾向だと言えよう。

KBOから来た強打者は、一時的には好成績を上げるのだ。李承菀もロッテの2年目30本塁打、巨人の1年目41本、2年目30本を打っている。2010年の金泰均でさえ、1年目のオールスター前の時点では打点王だった。
パワーという点では、KBOの強打者は疑問の余地はないのだ。しかし、それが長続きしないのが問題なのだ。

つまりは、今後の李大浩の成績が下降に転じるか、好調を維持するかが問題なのだ。シーズン前の予言を翻すようだが、私はこのままいく可能性が高いと思う。

李承菀も、金泰均も、マスコミ、特に韓国の大取材陣に悩まされた。また、ともに親分肌の選手だったから、チームとは必ずしもうまくいってなかった感がある。何度も言うとおり、ここまで来る選手は韓国では超エリートであり、高校時代からずっと特別扱いだった。投手が内角をどんどん攻める、調子が悪ければ下げられる、そういう待遇に慣れていなかったのだ。千葉ロッテを退団した金泰均が、チームでよそ者扱いされたことをコメントしているが、チームメイトとの関係も良かったとは言えない。

しかし、李大浩は、マスコミに足して極めて慎重である。またチームではT-岡田を立てるなど、お山の大将的な態度を取らないよう極力注意しているのが解る。先輩選手の事例を見て、メンタル面が重要だと認識しているのだろう。
聞けば、彼は貧しい家の出で、苦労をして野球を続けたのだという。打たれ強いのかもしれない。

タイトルはともかく、1年目の李大浩は、ほぼ期待通りの成績を挙げるのではないか。