ヨーロッパのシーズンが閉幕の時期を迎え、香川真司はボルシア・ドルトムントでドイツカップ決勝、バイエルン・ミュンヘン戦でも輝きを見せた。イングランドでは、マンチェスター・シティが44季ぶりにタイトルを獲得したし、セリアAではユーベントスが、リーガ・エスパニョーラではレアル・マドリーが記録的な勝ち点ダッシュで優勝した。同じ日、僕は、ブラジルの各州リーグの決勝戦にも関心を深めていた。
 
 コパ・リべルタドーレスで活躍しているフルミネンセもリオのタイトルを獲得したが、サンパウロ州選手権(Campeonato Paulista, Paulistao)決勝、サントスFC対グァラニーFCの第二戦に注目していた。時差の都合もあって、今朝、テレビ観戦をした。

 20歳になったばかりのネイマールが、凄い。第一戦でも2得点、そして、モルンピー・スタジアムでの第二戦でも2得点。サントスFCの創立100周年を祝うために、大車輪の活躍といっても過言ではない。スピードに溢れたテクニックと決定力は、リオネル・メッシとも比較されている。

 サントスFCは、昨年末のクラブ・ワールドカップではバルセロナFCに惨敗したが、一昨年、コパ・ド・ブラジル、昨年、コパ・リべルタドーレスのタイトルを取り、今回は、サンパウロ州リーグの3連覇を達成している。ブラジルでは、王様、ペレが現役時代に作り上げてきたものに相似していると言われている。ペレと同じように時代を作る、その選手がネイマールであると誰もが信じて疑っていない。

 いよいよ、来週からはブラジル選手権(Campeonato Brasileiro, Brasileirao)が開幕する。コパ・リべルタドーレスもベスト8の戦いが始まる。よりハードなスケジュールに突入するが、ネイマールを始めとするサントスFCの試合には目を離せない。

 ペレが作り上げたサントスFC、ブラジル代表の輝かしい歴史は、残念ながら、僕の世代でも知らないことが多すぎた。今、ネイマールが、ペレと同じような素晴らしいパフォーマンスで、僕らを魅了してくれるように期待している。

 アルゼンチン代表は、ロンドン・オリンピックの出場権を逃している。従って、メッシのプレーは、オリンピックでは見ることができない。ブラジル・オリンピック代表のエースとして、ネイマールは新たな伝説を作り上げるのではないかと思っている。

 さて、日本代表は、如何なものであろうか。オリンピックにOA枠を活用するのか、そして、活用するとして誰になるか興味は尽きない。香川真司をオリンピックで観てみたい、多くの人々も感じているかもしれない。他に、新たなヒーローも生まれるかもしれない。そして、その前のワールドカップ予選、楽しみではあるが、僕は、友人のオジェックが監督を務めるオーストラリアを一番に警戒している。

 オリンピックは短期決戦、意外な結果もあるかもしれない。しかし、ワールドカップ予選では、意外な結果はいらないと考えたい。