前代未聞の不祥事だ。スイス・スーパーリーグは18日、ヌシャーテル・ザマックスのライセンスを剥奪、同リーグから追放すると発表した。シーズン後に不祥事が発覚して降格、といった事例はあるが、シーズン中にリーグから追放されるのは極めて異例といえる。

複数の海外メディアが報じたところによると、ヌシャーテルが提出した財務保証の書類について、同リーグ事務局は「適正でない」と判断。ライセンスの即時剥奪を決めた。この処分について、ヌシャーテルは5日間の抗告期間を与えられるが、処分が確定すれば、2月から再開する同リーグは9チームでの開催となる。

チェチェン共和国人のブラド・チャガエフ氏が所有するこのクラブは、スイスリーグ3度の優勝経験を持つ古豪。かつてはスイス代表DFエンチョズ、同GKツベルビューラー、カメルーン代表DFヌジャンカなど名選手が所属した。

しかし近年は成績が振るわず、2006年に2部リーグに降格するなど不遇。2011年5月にチャガエフ氏がオーナーに就任した後は、名監督ホアキン・カパロスなどを招いて強化に乗り出したものの、開幕2戦でコーチ陣が全員解雇されるなどドタバタが続いていた。

すでに社会保障負担の不正や選手の給与未払いなどで、ヌシャーテルは勝ち点8のペナルティを受けていた。ライセンス剥奪は、ドタバタ劇の締めくくりとしてはあまりに残酷なものとなった。

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