ヨーロッパでの冬の移籍市場に向けて、日本人の話も挙がってきている。シーズン半ばでの移籍となる冬のマーケット。育成を重視した上で戦力確保に動くというより、どのチームも状況を鑑みて、即戦力の補強に動こうとすることが多い。そのような状況の中で日本人の名前が挙がることは、戦力として見なされていることである。  長友佑都(インテル)はおそらく移籍とは縁遠い位置にいるようである。インテルではサイドバックを左右できることで、重宝されている。試合にもレギュラーとして出場しているといえる。  しかし、その評価に関しては決して高いとはいえない。攻め上がりのタイミングや、クロスの精度において、厳しい評価を受けている試合が多い。イタリアのガゼッタ・デロ・スポルト紙などは時に「走ったが決定的になることなし」、「哀れな日本人」などと厳しい言葉を載せる。ただ、常に評価が低いわけではない。また、厳しいことが載っていても点数化した評価も低いとは言い切れないこともある。「決定的になることなし」と論じられた試合(11月27日、シエナ戦)も点数は5.5。もちろん良いとはいえないが、言葉ほど悪い点数ではない。  サイドバックというポジション上、守備に加え、攻撃面でも高い貢献度が求められる。ゆえに長友に限らず、サイドバックの選手に対しては厳しいコメントが載ることも多い。  それでもレギュラーとして試合を重ねる長友に、一部では移籍の話があがったが、上記のことを鑑みると、この冬での移籍は少なくとも無さそうである。長友本人のブログを見ても、ジェラートのことや、トスカーナ料理のことを載せているなど、イタリア生活を謳歌しているようであり、またインテルの選手とも馴染んでいる様子がかいま見れるだけに本人も移籍を望んでいるようにはとても見えない。  セリエAではまだエンジンがかかりきっていないインテルではあるが、チャンピオンズリーグを含め、高いレベルでの戦いは続く。その中で長友の存在は欠かせない。(編集担当:白鳥優)