リーグ戦3試合を終えて、確実なことが一つある。今のユヴェントスは中盤でMFアンドレア・ピルロを欠くことはできないということだ。簡単な方程式である。彼がうまく回れば、ユヴェントス全体がうまく回る。サポーターもチームメートも、アントニオ・コンテ監督もそれを理解した。指揮官は、ピルロを中心にユヴェントスを描くことに決めたのだ。

パルマ、シエナ、ボローニャとの3試合は、一つの証明を導いた。ベストプレーヤーは常にピルロなのだ。まだ無得点なのは仕方がない。彼はミリ単位の正確なボールと、オフサイドぎりぎりのパスで、チームメートたちに貴重なアシストを配給してきた。彼のようなビジョンを中盤に必要としていたチームのクオリティーを上げたのだ。

だが、それだけではない。このリーグ序盤戦、ピルロは素晴らしい調子にあることを示している。誰よりも走り、汗をかき、一瞬たりとも止まらないのだ。ディフェンシブハーフのようなタックルや、粗くてガッツやパーソナリティーのあるぶつかり方をして、彼は守備面でも周囲を驚かせた。

「彼のプレーを見たときに、『神様はいるんだ』と思ったね」。GKジャンルイジ・ブッフォンは以前、そう語った。おそらくは誇張だろう。だが、彼はよくその考えを表現してくれた。ユーヴェは常にピルロに依存している。今の中盤では彼が指令を出しているのだ。

コンテ監督よりも前に、ミランからフリートランスファーで加入したピルロは、ジュゼッペ・マロッタGM(ゼネラルマネジャー)の今夏の補強における最高のヒットとなった。ミラネッロ(ミラン練習場)ではすでに、ピルロがいなくなったことを嘆いている人がいるかもしれない…。