AFCチャンピオンズリーグが開幕して2ヶ月。
今日、明日がグループステージの最終戦である。
各組の上位2チーム、計16チームが次に進む。

鹿島は震災により日程、会場の変更を余儀なくされた。
しかし試合順の入替などで何とか試合を消化。
先週アウェーで上海申花を下し、
ノックアウトステージへの勝ち上がりを決めた。
最終戦の焦点が「1位抜け」である。
ラウンド16は一発勝負で各組1位に開催権がある。
鹿島は勝点9で水原三星と並んだ。
得失点差は水原三星が「+1」上回る。

鹿島の対戦相手はシドニーFC。
国立競技場が会場である。
節電を考慮して15時のキックオフとなった。
水原が上海で20時キックオフらしい。
鹿島は「点差をつけて勝つ」ことがミッションかな?
水原とてアウェーで2点差、3点差は難しい。
鹿島はも「1位抜け」の確率を高めて試合を終えたい。

国立競技場の空模様が怪しい。
キックオフ直後から雨が降り出した。

鹿島アントラーズ
GK 21 曽ヶ端準    79.08.02 187/80
DF 22 西大伍     87.08.28 176/70
    3 岩政大樹    82.01.30 187/85
    6 中田浩二    79.07.09 182/74
    7 新井場徹    79.07.12 182/73
MF 40 小笠原満男   79.04.05 173/72
   15 青木剛     82.09.28 183/75
    8 野沢拓也    81.08.12 176/70
   26 小谷野顕治   88.06.22 170/62
   25 遠藤康     88.04.07 168/69
FW  9 大迫勇也    90.05.18 182/70

−−−−−−−−−-大迫勇也-−−−−−−−−−
−−−遠藤康−−−小谷野顕治−−-野沢拓也-−−
−−−−−−−青木剛−−小笠原満男−−−−−−
−新井場徹−-中田浩二−−-岩政大樹−−西大伍−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−-曽ヶ端準-−−−−−−−−−

■リザーブ:
GK  1 杉山哲     81.06.21 184/78
DF 19 伊野波雅彦   85.08.28 179/73
DF 24 當間建文    89.03.21 178/72
NF 11 フェリペ    85.12.06 176/68
MF 14 増田誓志    85.06.19 179/75
MF 20 柴崎岳     92.05.28 175/62
FW 18 カルロン    86.08.01 190/78

シドニーFC
GK  1 リアム・レディ      81.08.08 189/96
DF  5 アンドルー・デュラント  82.05.03 182/76
    3 ステファン・ケラー    79.05.31 190/88
   17 マシュー・ジャーマン   89.12.08 190/84
   21 スコット・ジャミソン   88.10.13 178/76
MF  8 スチュアート・ムシャリク 85.03.29 175/70
   15 テリー・マクフリン    81.03.27 174/76
   23 ライアン・グラント    91.02.26 174/74
   10 ニック・カール      81.11.23 172/78
FW  9 ブルーノ・カザリーニ   83.05.06 188/82
   14 デイビッド・ウィリアムズ 88.02.26 174/70

−−−−カザリーニ−−−−ウィリアムズ−−−−
−−−-グラント−−-カール−−マクフリン−−−
−−−−−−−−−ムシャリク−−−−−−−−−
−ジャミソン−ジャーマン-ケラー-−デュラント−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−レディ−−−−−−−−−−

■リザーブ:
GK 20 イヴァン・ナチェフスキ  80.02.25 190/90
DF  2 セバスチャン・ライオール 89.07.18 180/75
DF 12 シャノン・コール     85.08.04 182/75
MF  6 森安洋文        85.04.23 175/69
MF 26 ジョエル・チアネーゼ   90.02.15 176/
FW 11 コフィ・ダニング     91.03.02 171/71


鹿島は「1トップ3シャドー」という前線の構成。
中盤は両ボランチも含めてかなり流動的だった。
ただ興梠慎三の不在、慣れない布陣によるマイナスがある。
最終ラインからの組み立てが落ち着かない。
鹿島らしくない不用意なパスの「ずれ」が目立った。

1分、シドニーはジャミソンが前線に浮き球を当てる。
ウィリアムズは後方に胸で落とす。
ムシャリクが縦に叩いて、カールはスルーパス。
カザリーニがエリア左からシュートを狙った。
決定的だったけどGK曽ヶ端準が片足でブロック。

7分、鹿島は新井場徹が左サイドを攻め上がってクロス。
大迫勇也が左足ボレーで合わせたけど当たりが弱い。
鹿島は小笠原満男がセカンドボールを拾って左に開く。
新井場徹が裏にスルーパスを入れる。
小笠原はエリア左に切れ込んで折り返す。
遠藤康、大迫勇也が飛び込んだけど合わない。

10分、シドニーはセットプレーの攻め直し。
ジャミソンが自陣から突破して縦に当てる。
カールがマークを受けながらキープしてスルーパス。
ジャミソンは裏のスペースに飛び出して折り返す。
カールがエリア左に切れ込んでシュート。
2人で崩した決定機だったけどシュートはわずかに枠外。

ニック・カールは左利きの技巧派。
背は低いんだけど横幅があり、腰が強い。
重心の低い突破とキープが素晴らしい。
しかも小さな振りでも強いインサイドキックを蹴る。
鹿島DFは彼に翻弄されていた。
オーストラリアにこんなタイプがいるんだと驚いた。

15分、鹿島は小谷野顕治が左サイドで相手のクリアを拾う。
小谷野は巧みなドリブルで縦に切れ込んでスルーパス。
大迫勇也がDFと併走しながらエリア内に走り込む。
もう少しだったけどGKレディが抑えた。

15分、シドニーはステファン・ケラーに警告。
直前の小谷野の突破に対する対応。

22分、鹿島は大迫勇也が前線で相手のバックパスを奪う。
大迫はDFと駆け引きしながら仕掛けるも詰まる。
小谷野顕治が横をサポートしてミドルを狙ったけどGKの正面。

シドニーFCはプレーの一つ一つが雑。
特にボールコントロールは日本の水準に比べて大きく落ちる。
例えばボールを奪った後のトラップ、1本目のパスが不安定だ。
危険な位置でのボールロストが目立ち、
鹿島にしてみると「付け込む隙」が多い。
ただ鹿島は「プレゼント」をあまり活用できなかった。
ボールを奪ってもフィニッシュまでに「もたついて」しまう。
大迫の判断が遅くて消極的に見えた。
下げなくていい場面で下げるし、打って欲しい場面で持つ。
「フィニッシュに向けた優先順位」が正確に付けられていない。

24分、シドニーはグラントが左サイドで大迫勇也からボールを奪取。
グラントは一気に敵陣までボールを運んでスルーパスを入れる。
ウィリアムズがスペースに走り込んで左足ミドルを狙った。
鹿島は青木剛がブロックして外。

25分、シドニーは左CKをジャミソンが左足で入れる。
ジャーマンがファーに飛び込んでヘッドを合わせた。
<シドニーFC 1-0 鹿島アントラーズ>

25分、鹿島はキックオフで集中力を欠いたプレー。
シドニーはカールが野沢拓也からボールを奪って抜け出す。
中盤がぶっちぎられて「3対3」の危険な形だった。
カールは自ら左足ミドルを狙って枠外。

27分、鹿島は中田浩二→伊野波雅彦。
中田は左肩を傷めて負傷交代。
伊野波雅彦はそのまま左CBの位置に入る。

36分、鹿島は遠藤康が右サイドから中にドリブル。
遠藤が縦に小さく叩く。
大迫勇也は反転から右足ミドルを狙う。
このシュートはDFの足をかすめて外。

シドニーが1−0とリードして試合は折り返しとなる。
試合は後半。

59分、鹿島は小谷野顕治→フェリペ・ガブリエル。

63分、鹿島は遠藤康が左サイドに開く。
新井場徹は高い位置でキープする。
伊野波雅彦が更に外をオーバーラップしてくる。
新井場は裏にフィードを入れて、伊野波が左足で折り返す。
フェリペはファーからヘッドを落とす。
大迫勇也が「落とし」に反応して右足ボレーを叩き込んだ!
<鹿島アントラーズ 1−1 シドニーFC>

鹿島はSBが高い位置取りを取ることが多い。
ただCBがマークを捨てて上がってきたのは驚いた。
伊野波雅彦はスプリント力、キック力がある。
たまにこういう「嗅覚」を発揮するのは、
アジアカップの韓国戦でも証明した通りである。

68分、シドニーはニック・カール→森安洋文。
シドニーの一番怖い選手が下がった。
フィットネスがないのかな?

70分、シドニーはスコット・ジャミソンに警告。
西大伍への危険なチャージ。

70分、シドニーはアンドルー・デュラント→セバスチャン・ライオール。

72分、鹿島は伊野波雅彦が左サイドにフィード。
遠藤康が外に落として、伊野波雅彦が折り返す。
大迫勇也が飛び込んでヘッドを合わせたけど枠外。

76分、鹿島は大迫勇也→カルロン。
鹿島の最終布陣がこう↓
−−−−−−−−−-カルロン-−−−−−−−−−
−−-フェリペ−−−-遠藤康−−−-野沢拓也-−−
−−−−−−−青木剛−−小笠原満男−−−−−−
−新井場徹−-中田浩二−−岩政大樹-−新井場徹−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−-曽ヶ端準-−−−−−−−−−


76分、鹿島は小笠原満男が左サイドでキープして縦に当てる。
遠藤康はエリア左にスルーパス。
新井場徹がDFの背後から回り込んで抜け出す。
新井場のクロスは決定的だったけどGKレディがブロック。

82分、鹿島は岩政大樹が出足のいいインターセプトから攻撃参加。
岩政が縦に当てて、カルロンは右から中に落とす。
遠藤康がキープをしながらDFの穴を探す。
しかしシドニーのDFがファウルで止めた。

83分、鹿島はゴール向かってやや左、約20mの好位置でFKを得る。
シドニーの壁がやや左側に寄っている。
中側は鹿島の選手が5人立っていた。
なぜか「一番通しやすいコース」を鹿島が抑えている…。
野沢拓也は案の定「中」を狙った。
鹿島の選手が左右に分かれてコースを空ける。
野沢の強く低いキックは西大伍の足をかすめて右隅にゴールイン!
<鹿島アントラーズ 2−1 シドニーFC>

「決めてください」という条件が揃っていた。
まずコースが空いていた。
あと雨でピッチが滑るから低いキックは伸びる。
何より野沢拓也はFKの名手だ。
願望込みだけど半分以上の確率で入ると思った(笑)

86分、シドニーはテリー・マクフリン→コフィ・ダニング。
シドニーの最終布陣がこう↓
−−−−カザリーニ−−−−ウィリアムズ−−−−
−−−ダニング−−-森安洋文−−マクフリン-−−
−−−−−−−−−ムシャリク−−−−−−−−−
−ジャミソン−ジャーマン-ケラー-−ライオール−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−レディ−−−−−−−−−−


87分、シドニーは森安洋文に警告。
青木剛のドリブルに対応して足を引っ掛けた。

試合は2−1でタイムアップ。
鹿島が苦しい試合を逆転して勝点3を確保。
暫定ながらグループHの首位に浮上した。
鹿島は後半によく建て直しましたよね。
ちょうどフィットした頃に試合が終わった感じかな?

なお夜の試合で水原三星が上海申花を3−0で下した。
鹿島は結局「2位抜け」でラウンド16進出です。

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