環球時報が中国5都市で行っている世論調査「中国人の世界観」で、「自国が好きだ」と回答した中国人の割合が大きく増加したことが分かった。調査は12月10日から25日の間に北京・上海・広州・武漢・重慶の5都市において、15歳以上の一般市民を対象に電話でアンケートをとったもので、今回の調査で5回目となる。

 回答者の60.1%が「好きな国家」に中国を選択し、その割合はほかの国家よりも10%以上多く、第1位を獲得した。これは当調査が始まって以来、初めてのことで、中国人民大学の金燦栄教授は「物質・精神両面での満足が国家への共感と自信につながっている」と分析した。

 金教授は、「中国人は本来、非常に民族意識が強い国民だが、前世期の現代化における挫折と困難によって国家と民族に対する意識が低下していた。自国を愛する姿勢は現代の国際社会では常識的なことで、今回の数値は決して高いものではなく、国家の発展と台頭にともなって自国への自身もやっと正常に回復した」と見ている。

 「好きな国家は?」についての質問では、第2位は米国で7.5%、第3位はフランスで3.7%、第4位はオーストラリアで3.3%だった。続けて、スイス・カナダ・イギリス・日本・シンガポール・韓国・ドイツがそれぞれ1%以上を獲得した。

 これまでの4回の調査では、回答者の1割以上が「好きな国家」として中国以外を回答しており、2008年の調査では中国を選んだのは34%ほどに過ぎず、その後を20%で米国が追随していた。(編集担当:畠山栄)



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