中国ではこのほど、北京五輪や上海万博などの国際的なイベントの開催を通じて、集団における人々のマナーや振る舞いに関心が集まっており、素養向上などに向け、さまざまな取り組みや意見交換などが行われている。  一方、旅行や留学、仕事の長期滞在などで日本に滞在する中国人の中には、日本人が見せる、他人に対する礼儀や作法、習慣などに「素養の高さ」を感じるようだ。

 中国の教育機関に勤める「静茹(ハンドルネーム)」さんもその1人だ。「静茹」さんは、日中の交流事業の一環で、中国の小学生とともに日本の小学校を訪れ、給食の時間中に見た日本の子どもたちの振る舞いに、「日本の子どもと一緒に食事をしなければ、何をもって“素養”教育なのか分からなかった」などとつづっている。  「静茹」さんはまず、生徒らが週代わりで「給食当番」を担い、料理の運搬や配膳などを行うことや、子どもらが食事を頑張って食べきること、食事の後片付けや食事中に出るゴミの分別などのすべての作業を子ども一人ひとりが行うこと、食事の後に歯を磨くことなどに驚きを示し、「ゴミの分別などは、幼いころから社会全体で教えていくべき」、「学校で養われた(歯磨きなどの)衛生的な習慣が、恐らく生涯続けられていくのだろう」などと感嘆した。

 また、余った牛乳をじゃんけんの勝者がもらえる、というシステムを「面白い」と絶賛。こんな方法で配るとは、と発想の豊かさにも感心していた。

 一方、食事を残し、周りのルールを飲み込めないまま、見よう見まねで適当に後片付けをしていた中国の生徒たちの姿に、「生徒を責めることはできない。これは私たち教師の恥だ」などと語り、教師をはじめ、子どもにかかわる大人が、細かいところまで子どもに教えて示すことができるよう、意識すべきだと語った。

 「静茹」さんは最後に、「スタートラインで負けてはいけない」と意気込み、子どもにさまざまな習い事をさせる保護者の姿勢に疑問を投げかけ、子どもが習い事以外の分野で自立できず、保護者を敬い、家事を手伝おうという意識を持ちにくい現状を、今後の教育で変えていくべきだと結んだ。

 「静茹」さんの素養教育に関する「日本見聞録」には、書き込む読者のほぼ全員が賛同。数々の“証拠写真”などに「本当にこんななの? ビックリ」、「完敗だな」などと反応し、子どものころからの習慣づけの重要性を改めて確認していた。(編集担当:金田知子)



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