CL対アーセナル戦に続き、クラシコでは永遠のライバルであるR・マドリーにサンティアゴ・ベルナベウで勝利。今シーズン途中には、昨シーズンの6冠獲得でハングリー精神が欠如し出しているとも言われていたが、ここに来て勢いを取り戻している。リーガ、CLの連覇に向けバルサのサッカーは顕在だ。

 メッシ、チャビといった攻撃的選手のボール扱いや短いパスをリズム良く繋ぎ、相手の背後を突いていくポゼッションサッカーが注目を浴びているが、グアルディオラ監督が就任以降、最も強化されたのはディフェンスと言っても過言ではない。

 ポイントとなっているのは、サイドアタッカーの攻守の切り替えだ。R・マドリー戦では、前半ペドロとダニ・アウベスがサイドアタッカーを務めた。ボールを奪われるとC・ロナウド、イグアインといった縦に早い選手が多いR・マドリーのカウンターを避けるため、両サイドのアタッカーはすぐに中盤の位置に戻り、サイドバックの前にできるスペースを潰した。

 前半は何度かC・ロナウドが一人で突破してしまうシーンもあったが、それ以降はドリブルに入っても、四方を囲まれ最後はディフェンスに引っかかった。コーナーキックでもグアルディオラ監督の采配が目に付いた。味方のCKではできるだけ、ボールを失わないためショートコーナーを多用。あまり敵ゴール前に入り過ぎて、カウンターアタックを食らわないようペナルティーエリアの外に選手を並べた。

 元々バルサにあるポゼッションサッカーに加え、ディフェンス面も強化された“ペップチーム”。「2点奪われても4点入れて勝てばよい」という風潮はなくなり、「バランス重視でボールを失わずにきっちりと勝つ」という新たなスタイルでバルサが革命を起こしている。敵地でR・マドリーに連勝するのは歴史上初めて。バルサの頂点はどこにあるのか。内容と結果の両面で世界を驚かせている。

(スペイン通信)