30日放送のTBS系列『S☆1 スーパーサッカー』では、W杯出場へ王手をかけ、6月6日にウズベキスタン戦を迎える中村俊輔に代表の窮地を何度も救った自身の代名詞・フリーキックの真実を訊いた――。

ここまで7年間の海外生活を、「まあ、イタリアにしろ、スコットランドにしろ、場所とか環境はどうであれ、修行したかなって感じですね」とアッサリ話す中村は、本題のフリーキックについて、「中学校の頃、よくありませんでした?的?同じところに何回も蹴る練習をしていました。最初はインステップ。距離を伸ばしていって、距離を伸ばしても同じところに当てる。次にちょっとカーブを掛けて、次にアウトサイドで。最初はフリーキックっていう感じではなかったですね。キックを正確にしたかった」とそのルーツを語った。

また、昨年9月のW杯アジア予選=バーレーン戦で先制点を生んだフリーキックを振り返った中村は、「ファーは下の方がいい。上を狙うと滞空時間が長いし、もし、ゴールキーパーが立ってて(壁の上からボールが)出てくるより、下に落ちてった方が触り辛いかなって。しかも、キーパーのちょっと前でワンバンくらいした方が。僕は下の方が好きっすね」と述べ、ファーサイドへ蹴る俊輔流フリーキックの狙いを明かした。

さらに、今年3月、同じくバーレーン戦で決めた一撃は、「バーレーン戦も普通、真ん中から左だったらヤット(遠藤保仁が蹴る)だけど、距離が少しあったし、ちょうど真ん中から左気味だったから、あのくらいの位置ってキーパーは左巻きにしろ、ヤットが蹴るにしろ、僕らから見たら左に蹴ると(思っているので、その逆を突いた)」と語り、「俺が“蹴っていい?”って言ったら、即答で“OK”って言ってもらえたんで。ヤットとは二人のアイデアを出し合って、その中で一番どっちがいいかっていうのを決めた」と振り返った。

6月6日のウズベキスタン戦で勝利すれば、世界最速でW杯出場を決める日本。インタビューの最後に中村は、「ここまでの勝ち点の積み上げ方って悪くないし、次アウェーで勝ってしまえば、2試合残して決まるなんて今までないし、どういうかたちであれ選手がぶれないことが一番じゃないですか」とクールに意気込むのだった。