【戸塚啓コラム】日本代表レビュー 〜08年の論点〜
![華麗なボールさばきで相手DFを振り切る中村俊輔。(photo by Kiminori SAWADA)](https://image.news.livedoor.com/newsimage/2/f/2f5b026412d6ebcfbade49842047e5fa-m.jpg)
ACLに出場しているガンバ大阪と鹿島アントラーズの所属選手を除いたメンバーで、話題を集めたのは香川の招集だった。内田より年下で、J2のセレッソ大阪に所属する19歳の代表候補入りは、各方面に驚きをもたらしただろう。
この合宿ではもうひとり、その後の試合でキーパーソンとなる選手がリストアップされていた。田中マルクス闘莉王である。岡田監督就任後はケガなどもあって招集が見送られてきたセンターバックは、ここからチームに加わっていった。
会見場と呼ぶには手狭なスペースでマイクに向かった岡田監督は、3日間の合宿を終えてこんな話をしている。果たして、1か月後のキリンカップへ向けたメンバーには、寺田、長友、香川らに加え、中村俊輔、松井大輔、長谷部誠の海外クラブ所属選手も招集された。
4月の合宿に参加しなかった井川祐輔も、ストッパーとしての資質を評価されての初選出となった。オシム・チルドレンがジワジワと減り、岡田監督の色が強まっていく。
フレッシュなタレントが新たな息吹を吹き込んでいく過程で、チームを去っていく選手もいた。キリンカップのメンバー発表をまえにして、加地亮が代表引退を表明したのである。2月のタイ戦後に引退を発表した坪井慶介に続き、ドイツW杯に出場した黄金世代がまたしても代表のユニホームを脱いだのだった。それもまた、岡田監督のチーム作りが進んでいく過程のひとつだった。
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