■次世代の情報収集術とは? 進化するlivedoor Reader
宮崎哲弥氏の情報収集術を読み解いていくと、パソコンとインターネットを利用した手法をいち早く取り入れ、既存の情報収集を補完しながら移管を進めていることがわかる。

情報の更新速度や情報の品質と量、さらに必要な情報へのアクセスのたやすさで既存メディアや情報タンクなどに比べ、インターネットの優位性は明らかだ。いかにインターネットを活用できるかかが情報戦での優位に立てるかを決めるといってもいいだろう。こうしたインターネットでの情報収集を支えているのがパソコンからのアクセスと検索だが、今後の情報収集では、どうすれば今の環境を超えることができるのだろうか。

そのキーワードとなるのが「モバイル」だ。
最近話題となっている「iPhone 3G」や「Windowsケータイ」などの高機能ケータイを利用した情報収集こそが、次世代の情報収集を加速させると期待されているのだ。

■なぜ次世代は「モバイル」なのか?
インターネットの情報は、日々どころか1分1秒ごとに更新・増加している。
そんな情報にアクセスしたり検索するためにはパソコンが必要となるわけだが、デスクトップパソコンでは自宅や事務所・会社からしかアクセスはできない。ではノートパソコンを持ち歩けばという方法もあるが、小型化したとはいえノートパソコンを持ち歩くのはかなりの負担となる。さらにノートパソコンがあったとしても外出先や屋外でインターネットに接続する有線・無線LANのアクセスポイントが必ずあるとは限らない。

そこでパソコン並にインターネットが利用できる「iPhone 3G」や「Windowsケータイ」などのスマートフォンが注目されているわけだ。スマートフォンであれば高速な3Gケータイ通信網を利用してインターネットにアクセスできるため、いつどこでもインターネットから情報を引き出すことが可能となるからだ。また、ノートパソコンなど違って本体もケ胸ポケットにも収まるほど小型のため持ち歩いても負担とはならない。
情報に敏感なユーザーの一部からは、スマートフォンでも使えるモバイル対応のPC版くらいに強力なRSSリーダーがあればという声も上がりはじめている。

情報は、欲しいとき、アイディアが浮かんだときこそ、瞬時に必要なものだ。
例えそこが歩道でも、ショップの中でも、移動中であっても、必要なときにインターネットから情報を引き出せるとしたら、これほど効率がよく強力な情報収集術はないだろう。
つまり、スマートフォンなどで使えるモバイル対応のRSSリーダーがあれば、宮崎氏以上の情報収集術を手に入れることも可能となるわけだ。

■livedoor Readerもモバイル版を検討か?
次世代の情報収集術で大きなカギを握るのがモバイルであることはわかった。そこで実際にモバイル環境での効率のよい情報収集術を支えるのは、モバイル版のRSSリーダーが必要だ。
そうなると気になるのが、次世代の情報収集術を支えるとみられているモバイル版のRSSリーダーの動向だろう。そこでRSSリーダーでトップを走る「livedoor Reader」の担当ディレクター齊藤貴義氏に、モバイル版について質問を投げかけてみた。

編集部:利用者から「livedoor Reader」のモバイル版(iPoone版やWindowsケータイ版)への要望はありますか?
齊藤氏:届いています。そのなかでも、iPhoneに最適化されたインターフェースで読みたい、という要望が強いですね。今でもiPhone向けの対応は行っており、記事の見出しを簡単にチェックできるlivedoor Reader Liteというバージョンを提供しているのですが、PC版のような一覧表示や複雑な操作にも対応させてほしい、という要望をいただいています。
livedoor Reader Lite 新着livedoor Reader Lite エントリー一覧


編集部:「livedoor Reader」のモバイル版は、今後重要なツールとなると思いますか?
齊藤氏:はい。昨年、携帯電話・PHSのネット利用者がPCを初めて上回ったという統計も出ています(『インターネット白書2007』による)。その中にあって、現在のモバイルサイトの画面要素やレイアウトは各社バラバラです。統一した画面で素早く情報がチェックできる強力なRSSリーダーが登場したら、キラーアプリとなる可能性があります。

編集部:「livedoor Reader」のモバイル版は、どのような人に活用して欲しいと思いますか?
齊藤氏:情報感度の高い方々です。特にニュースなどの新しい情報を日々の生活の多様なシーンで活用されている方ですね。今後、モバイルにおいても情報は量よりも速度や分類が価値を持つ時代になると考えています。場所を選ばず、情報収集の先端ツールとして活用していただきたいですね。

編集部:RSSリーダーは、便利さに比べて利用者がまだ少ないと思いますが、どのような人にもっと活用してほしいと思いますか?
齊藤氏:企業や教育機関など速い情報が求められている方々です。ここ2、3年でほとんどのサイトがRSSを配信するようになりました。今やRSSリーダーでほとんどの情報を一元収集できます。そのユーザーメリットをビジネスパーソンや学生の方々に伝えていくことが今後重要になってくると考えています。

編集部:「livedoor Reader」を、今後どのように発展させていきたいと思っていますか?
齊藤氏:今後は、それぞれのユーザーにあったRSSのパッケージ化や、そのユーザーの知りたい情報を先読みしてオススメする機能の搭載を検討中です。

モバイルでは、プラットフォームとしてのiPhoneに注目しています。iPhoneに直接インストールできるアプリケーションの開発を検討しています

■すべての人が情報通? RSSリーダーがもたらす「情収集術」の達人時代
今後のインターネットでは、livedoor Readerを筆頭にRSSリーダーがインターネットを活用するうえで重要なツールとなっていきそうだ。RSSリーダーが普及すれば、自宅や会社からはパソコンで、移動中や出先からはモバイルで、いつでもどこでも必要な情報がだれの手にも簡単に素早く入手できるようになるのだろう。

インターネットの利用者にとって、「情報収集」は当たり前の生活術や仕事術となることも決して絵空事ではない。そうした時代では卓越したRSSリーダー活用者こそが情報収集における「真の達人」と呼ばれ、時代の寵児・成功者となってるかもしれない。

宮崎哲弥の情報収集術 バックナンバー
宮崎哲弥 RSSリーダー活用の「情報収集術」を語る
崎哲弥の「情報収集術」毎月200冊読破の速読力 秘密はRSSリーダー?
整理はムダ? 宮崎哲弥の「情報収集術」の極意

宮崎哲弥の情報収集術 特集
宮崎哲弥の情報収集術 1
宮崎哲弥の情報収集術 2
宮崎哲弥の情報収集術 3

日経ビジネス Associe(アソシエ)
livedoor Reader