今シーズンのプレミアリーグで2003年以来の優勝を果たしたマンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督は、早くも来シーズンに向けた補強候補3名をリストアップしたと明言。プレミア最高齢の指揮官が名前を挙げたのは、守備陣にサウサンプトンの新星DFガレス・ベイル、中盤にイングランド代表でバイエルン・ミュンヘンのMFオーウェン・ハーグリーブス、そして最前線にトッテナムのブルガリア代表FWディミタール・ベルバトフの3名だ。すでに首脳陣へリストを提示したというファーガソンは、補強の正否はライバルクラブの動きにかかっていると言う。

「すでに補強候補を3名に絞った。リストについては、最高経営責任者のデイビッド・ジルにも伝えてある。優秀な選手を獲得する際、資金が必要になるのは当然のこと。あとは、経営陣に任せるしかない。マンチェスター・ユナイテッドはつねに注目をあつめる存在だ。スタジアムは毎週のように7万6000人の観客で埋め尽くされるし、世界中でステータスを築いている。選手にマンUでプレーしたいと思わせるには問題ないが、あえて問題を挙げるとすればチェルシーの存在だ。彼らは、マイケル・エッシェンを獲得するために、2700万ポンド(約65億円)もの大金をつぎ込んだクラブだ。マネーゲームで我々に勝ち目はない」

 今シーズンの覇権奪回をきっかけに、90年代の黄金期再現を狙うファーガソンにとって、選手層の上積みは今オフの最優先事項。しかし、敵将自ら指名した3選手の獲得に、リーグ3連覇の夢を砕かれたチェルシーが黙って見ているはずはない。プレミアリーグをリードする2チームにとって、来シーズンに向けた戦いはすでに始まっているといっていいだろう。