使わないタッチパッドがセカンドスクリーンに! 劇的に便利になるASUSの新ノートPCの革新性とは

写真拡大 (全6枚)

ASUS JAPANは、タッチパッドに液晶ディスプレイを搭載した革新的なハイエンドノートPC「ZenBook Pro 15 UX580」(以下、ZenBook Pro 15)を7月中旬に発売する。

このZenBook Pro 15は15.6型4K液晶を搭載しだだけでなく、「ScreenPad」というタッチパッドにも液晶ディスプレイを搭載した革新的なモデルだ。
「ScreenPad」は通常の指によるマウスカーソル操作だけでなく、アプリを起動するランチャーやサブディスプレイとしても利用することが可能だ。

PCとしてのスペックは、
上位モデル「UX580GE」は、プロセッサにインテル Core i9-8950HK、GPUにはNVIDIA GeForce GTX 1050 Ti、1TB SSDを採用。
下位モデルと言うにはハイスペックすぎる「UX580GD」のプロセッサにはCore i7-8750H、GPUにはGeForce GTX 1050、512GB SSDを採用している。

共通スペックは、16GB RAM、Thunderbolt 3 (Type-C) ×2、USB3.1 (Type-A/Gen2) ×2、HDMI、マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック、microSDメモリーカードスロットなど。

画面まわりは狭額縁設計となっており、さらにASUS独自の放熱設計によって厚さ18.9mm、重さ約2.01Kgのスリムデザインを実現している。

そしてハイエンドの顔とも言うべき表示部分は4K(3840×2160ドット)の高精細。プロフェッショナル向けの色調整をおこなった本格的なディスプレイである。
さらにタッチ操作にも対応しており、スマートフォンやタブレットのように画面に直接触れてタッチでの操作やスクロール操作などが可能だ。

タッチ操作のほかに1024段階の筆圧に対応した「ASUS PEN」(別売)を使用することで、ドローイングやペインティングと言ったクリエイティブな用途にも対する。

こうしたクリエイティブな作業をサポートするのが、6コア12スレッドのパワフルなCore i7/Core i9プロセッサだ。
下位モデルのCore i7-8750Hは、
ベースクロックが2.20GHz、ターボブースト時には4.10GHzと消費電力とパフォーマンスのバランスに優れている。

上位モデルのCore i9-8950HKは、
ベースクロックが2.90GHz、Turboブースト時に4.80GHzとなるパフォーマンスに特化しつつ、消費電力も抑えたプロセッサなのである。




これだけでも十分過ぎるノートPCなのだが、前述したキーボードの下にある液晶モニターになるScreenPadが、デザインの面でも、機能の面でも、ほかのモデルにはない独自性を際立たせている。




ScreenPadのタッチパッドでは、通常はマウスカーソルを操作するために使われる。
しかし、タッチパッドを上端から下方向へスワイプするとツールバーが表示される
・アプリケーションランチャー
・ScreenPad専用アプリ
・ScreenPad対応のアプリ
これらのためのサブメニューとしても利用することができる。

例えば、
文章を打っていると、大抵、親指はスペースバー付近にある。
そのまま親指でScreenPad上をスワイプ操作して、ランチャーからほかのアプリを起動するといったことも簡単にできる。
タスクバーにおける10個のアプリショートカットとあわせて使えば、より便利に使うことができるだろう。




また、ScreenPadに特化した
・電卓アプリ
・ミュージックプレイヤー
などもスマートフォン感覚で使えるのが面白いところ。
webブラウザ「Chrome」の拡張機能としてYouTubeのコントローラーを追加すれば、
メイン画面にはYouTubeの映像を表示させたまま、ScreenPadにはYouTubeの再生コントローラーを表示可能だ。ScreenPad をYouTubeのリモコン感覚で操作できるのも意外と便利である。

マイクロソフトのオフィスなど対応するアプリでは、文字装飾などよく使う機能をScreenPadに割り当てて効率よく作業をすることも可能となる。


一方で、タッチパッドに多くの機能を持たせると、手間や使いこなすのが面倒になのでは?と、心配する人も増えるだろう。

たしかに、ScreenPadは、
「便利そうだけど、便利じゃないのでは?」
などと感じる人もいるだろう。

実はこのScreenPad機能はハイエンドノートPCの利用者ニーズを掘り起す機能でもある。

ハイエンドユーザーの多く利用者は。正確な操作を行うために、大抵、別途でマウスを使った操作をしているからだ。
筆者も、仕事で15.6インチノートを使っているのだが、細かい操作が求められる写真や動画の編集では、タッチパッドではなく、マウスを使用して操作をしてい。
そうした利用法もあって、ほぼタッチパッドは使用していない。

そこでASUSは、必要な機能でありながら、使われていないタッチパッドを再発明したというわけだ。




クリエイターやオフィス文書作成においては、
・必須なマウス操作
・直感的に操作できるタッチスクリーン操作
この2つにより、ますますタッチパッドの利用は少なくなっているのが現だ。

そこでタッチパッド部に液晶画面を搭載することで、
マウスで文字を選択後に、ScreenPadから文字色を赤にする
といった操作も、より手際よく、効率よく進めることができるようになる。

そのほか、録音した音声から原稿を起こす場合などは、ScreenPadのミュージックプレイヤーを操作して、文字打ちとミュージックプレイヤーのコントロールをキーボードだけで完結させることもできる。

ScreenPadは小さい画面ながらFHD(1920×1080ドット)の解像度がある。
これだけあればセカンドスクリーンとして
・動画の表示
・SNSのタイムラインの表示
といったことも十分に実用にあるため、柔軟な使い方が可能だ。

このタッチパッドを再発明すること、これがZenBook Pro 15の肝となるところなのである。




ちなみにZenBook Pro 15の開発時は、スマートフォンをScreenPadにすることもテストしていたようだ。しかし、タッチパッドとしてのレスポンスと表示される映像の遅があり製品としてのクオリティを満たしていないため、現在のタッチパッドをディスプレイ化する仕組みに行き着いたという。

ScreenPadの応答レスポンスが良い理由は、ScreenPadの画面表示をメインスクリーンと同じGPU直結となっているためだ。こうして遅延なしの表示と滑らかな操作を実現できているのだ。

ところでScreenPadは、確実にコスト増となる。
このことから、まずはハイエンドモデルから実装というステップを踏む。
さらにハイエンドモデルを利用するユーザーは、能動的に便利な使い方を模索する傾向があるため、決して無駄な機能にならないだろう。

ASUSのタッチパッドの再発明、今後も続くことに期待したい。


執筆  mi2_303