コスパ最高のハイエンドスマホ「ZenFone 5Z」 お買い得モンスターに残る物足りなさとは?

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ASUS JAPANは6月15日、SIMフリースマートフォンのハイエンドモデル「ZenFone 5Z」を発売した。

ZenFone 5Zは、
・6.2型ワイド FHD+(1080×2246ドット)Super IPS+液晶
・ハイエンドモデルに搭載されるQualcommのプロセッサ「Snapdragon 845(SDM845)」
・大容量6GB RAM、128GB 内蔵ストレージ
・microSDカード対応
・3,300mAhバッテリー
と、ハイエンドモデルに相応しいフルスペックのスマートフォンだ。

このスペックのモデルを大手通信キャリアが取り扱った場合、10万円に近い価格となるであろう。

ところがASUSはこのハイスペックなZenFone 5Zを、69,800円(税抜)で販売する。
ハイエンドモデルの中では一番のお買い得なスマートフォンなのである。




6.2型のディスプレイは9:19の縦長大画面、画面の上部にはカメラやスピーカーを避けるように表示部分にノッチ(切り欠き)がある今風のデザインだ。
背面には指紋センサーを搭載し、指を添えるだけで簡単にロック解除が可能。
そして背面のメインカメラは
・120°の超広角レンズ
・標準レンズ
この2つを搭載する。
イメージセンサーは約1200万画素のソニー製積層型センサー「IMX363」である。




カメラのUI(ユーザーインターフェイス)は、超広角レンズと標準レンズが簡単に切り替えできるよう、わかりやすく作られている。

同じ場面でも標準と超広角のそれぞれで撮り比べてみれば、超広角の圧倒的な広がりや強烈なパースが面白いと感じられる。
一眼カメラでレンズ交換をするかのように、
・この路地は標準で、
・この景色では超広角で、
といった撮影が可能となり、撮影での試行錯誤を試せることで自然に写真表現のスキルが向上する。


<標準カメラでの撮影。色被りがなく発色が綺麗である>



<超広角レンズならより広い範囲が写せるため広さや大きさを表現することができる>



<一眼レフカメラのようなボカし効果のある写真撮影も可能だ>


ハイスペックを要求する3Dゲームも動作し、SIMフリースマートフォンとしては文句なしのデキだ。

しかし、どこかZenFone 5Zに何か物足りなさを感じる。

それはこれまでのZenFoneにあった、
・尖った要素
・共感できるスピリット
これが足りないと、感じてしまうのだ。
これは完成度が高いスマートフォンだからこその、高い要求なのかもしれない。

ZenFoneの名物といえば、もう1つ、発表会でのジョニー・シー会長の熱いプレゼンテーションだ。
「性能怪獣」をはじめとするSIMフリースマートフォン市場で勝ち抜いていくための尖ったスピリットやコンセプトに共感したファンも多かったのではないだろうか。

現在のハイエンドスマートフォンでは、使用するパーツや部材など画一化されていることが多い。どのメーカーのスマートフォンでも、独自の個性が見えづらくなった。
これはZenFoneに限ったことではない。

それでも明確な訴求ポイントを持つスマートフォンが強いのは確かだ。

ZenFone 5Zは、コストパフォーマンスが高いスマートフォンであり、“嫌い”と思う人は少ないだろう。
しかし、“好き”と思ってもらうためには、もっと製品に
・共感できる部分
・泥臭いような開発秘話など
心を揺さぶるようなストーリーをユーザーに与えて欲しい。




また、購入後のサポートも次の製品に繋がる大事な要素だ。
ASUS JAPANは、赤坂に「ASUS Store Akasaka」をオープンし、サポート業務も行う。
こうした顧客満足度の向上に向けた施策は着実に良い効果をもたらすだろう。

ZenFone 5Zはまだ発売されたばかりだ。
ソフトウェアのアップデートで使い勝手の向上や、カメラが進化するなど今後の展開にも期待したい。

ZenFone 5Zで撮影した写真は色が綺麗と言われるようになることもユーザーとしては嬉しいことでもある。フィルムメーカーとのコラボで本格的な色再現をするなど、そんなスピリットがあっても面白いとおもうのだが。


執筆  mi2_303