北朝鮮が、北部山間地域にあるミサイル発射基地と思われる施設の補修作業を行うと同時に、ミサイルを新型に取り替える作業を始めたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

RFAは、両江道(リャンガンド)の情報筋の話として、北朝鮮当局が今年4月から、護衛総局傘下に入った第1工兵局(旧工兵局第1旅団)を三池淵(サムジヨン)郡の中心部と胞胎(ポテ)労働者区の間にあるミサイル地下発射基地に派遣し、補修作業を行わせていると報じた。

情報筋によると、この発射台は1999年から2002年の間に建設され、テポドン1号(白頭山1号)が配備されていたが、補修作業を機に大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」型に取り替えている。

当局は三池淵地区の建設工事の資材と偽って、鉄骨やセメントを深夜に搬入している。

資材を積んで基地に入ったトラックは、帰りに古くなったテポドン1号を積んで出て来る。一連の話は、胞胎労働者区まで密かに酒を買いに来た、補修作業に従事する兵士が漏らしたことがきっかけで広がったという。

別の情報筋によると、テポドン1号のみならず、旧ソ連製の対空ミサイルも新型の迎撃ミサイルに取り替える作業が進められている。

「平地より有利」

このような発射基地は、上述の場所以外にも、小白山の中腹と興溪水(フンゲス)労働者区にあり、周囲には37ミリ高射砲が数百門配備されているとのことだ。

三池淵に地下ミサイル基地が集中している理由について情報筋は、場所によっては海抜2000メートル以上もあるため、平地から撃つよりもさらに遠くに飛ばせるからと説明した。

情報筋が示した理由以外にも、金正日総書記が生まれた場所と北朝鮮当局が主張する白頭山密営など重要施設が集中しているということが挙げられよう。