市販されているアイスは増粘安定剤を使うことで凝固させていますが、天然素材だけのアイスクリームを作ることはできないのか?ということで開発されたのが「金座和アイス」です。イチゴポリフェノールという特許成分でアイスを固めているのですが、なんと常温でも溶けることがないアイスクリームになっており、「日本のアイスは溶けない」と海外メディアでも話題になっています。溶けないアイスとは一体どういうものなのか、実際に購入し常温放置して確かめてみました。

金座和アイス | 自然素材を使った溶けないアイスクリーム

http://ice.biotherapy.co.jp/

金座和アイスは「金沢東山店」「大阪アメリカ村店」「原宿竹下通り店」の3店舗があり、今回は大阪アメリカ村店に向かいました。住所は日本大阪府大阪市中央区西心斎橋1丁目8-21、大阪御堂筋線・心斎橋駅から歩いて5分ほどの距離です。

歩いているとお店を発見。



お店は奥に長細くなっていて、イートインスペースもあります。



イートイン・テイクアウトいずれも注文は店頭のレジで行います。金座和アイスは基本的に1つ500円で、団子のように3連になっているアイスが300円、そのほか、金座和アイスを浮かべたフロートもあります。アイスを1つ購入すると「いちごソース」「ブルーベリーソース」「チョコペン」「キャラメルソース」「きなこソース」などから1種類好きなものを選べ、+50円でトッピングの追加も可能。ソースの他には、金沢らしく金箔も売られていました。



注文後、カウンターに置かれているチョコペンなどでトッピングを行っていきます。



ソースはこんな感じ。



購入したアイスを持ってイートインスペースへ。4人掛けのテーブル席2つと、2人がけのテーブル席4つが置かれていました。



ということで、今回はコーヒーフロート(300円)と、福梅風アイス(500円)を購入。ソースにはブルーベリーソースとストロベリーソースを選択しました。



福梅風アイスを全長123.8mmのiPhone SEと比較するとこのくらいのサイズ感。



金粉も振りかけてみました。



アイスの表面には少し穴が空いていますが、特段変わったところはありません。



実際に食べてみたところ、少しシャリッとしていて、一般的なアイスと同じような食感ですが、口の中では非常になめらかに溶けていくのが特徴。「福梅風アイス」という名称ですが、いちご味で、果肉のごろごろ入った甘酸っぱいベリーのソースとよくあっています。



もぐもぐと食べ進めていったところ、時間がたつと表面が少し滑らかでねっとりしてきましたが、購入してお店で食べると、至って普通の「おいしいアイス」です。



またコーヒーフロートは以下のような感じ。



コーヒーフロートというと、アイスが溶けて来て途中でミルクコーヒーっぽくなるものですが、金座和アイスは溶けにくいので、最後の方までアイスはアイスで食べられるわけです。



お店で購入してすぐだとイマイチ「溶けないアイス」であることがわからない!ということで、持ち帰ってみました。



持ち帰る場合、アイスは型に入れられたままの状態。写真に写っているものは、市販のアイスと溶け具合を比較していくため、いったん再冷凍しています。



型から取り出してみるとこんな感じ。



ということで、コンビニで買ってきた普通のアイスとともに常温の部屋でしばらく放置してみます。なお、この時、室内の温度は28.4度。



常温放置から10分したところ、まだ両者は形を保っています。



しかし、よく見てみるとコンビニのアイスは既に溶け始めていました。



一方で、金座和アイスは少しツヤが出てきたもの、全く形が崩れることはありません。



実験開始から20分後、コンビニのアイスはいよいよ本格的に溶け始めました。



チョコレートコーティングされているアイスも、チョコレートのひびの間から液体化したアイスクリームが流れ出ています。



こちらのアイスも海に浮かんでいる状態。



一方で、くまモン、微動だにせず。



足元に少し水が出てきたのがわかりますが、見た目の凹凸はくっきりしたままで、ほとんど形状が変化しません。



そして30分後。



コンビニのアイスはもはやアイスクリームの残骸が海に浮かんでいる状態です。



スープのような感じでおいしく食べられました。



チョコレートのコーティングも崩壊。



一方の金座和アイスがのったお皿には、液体の姿は一切無し。



30分前と同じようなくまモン。



雪吊り風アイスや……



福梅風アイスにも変化はなし。



一向に溶ける気配のない金座和アイスですが、一体どういうことなのか?ということで実際に食べてみました。



すると、お店で購入した時は「滑らかな舌触りのアイス」だったのが、時間がたつことでババロアのようなムースのような食感に変化していました。ふわっと滑らかで、食べた時の印象はいわゆる「アイス」ではないのですが、アイスとはまた別のデザートの形として楽しめます。なお、金座和アイスが溶けないのは、金沢大学の太田富久名誉教授が開発した特許成分「イチゴポリフェノール」を使うことで、クリームに含まれる水分と油分の結び付が強くなり、温度が上がっても形を保てるようになるという仕組みによるものとのこと。



常温で放置すると一体どういう感じになるのかはムービーを見るとよくわかります。

溶けないアイス「金座和アイス」を常温放置するとこんな感じに - YouTube

持ち帰りする際にもソースを1種類ずつ選ぶことが可能。



お店で食べてももちろんOKなのですが、持ち帰ると、ゆっくりと食べ進めることでアイスからムースになっていく変化が楽しめるので、ぜひお土産にしてほしいスイーツでした。