遊馬晃祐「僕の唯一の武器はジャンプ力だから」――1st写真集で見せたい成長、伝えたい思い
2015年のハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』で、彗星の如くデビューを果たした遊馬晃祐。演劇『ハイキュー!!』でのデビュー以降、歌劇『明治東亰恋伽〜朧月の黒き猫〜』、『ROCK MUSICAL BLEACH』〜もうひとつの地上〜と立て続けに舞台に出演し、瞬く間に知名度を上げた。そんな彼が、自身の誕生日である10月20日にファースト写真集『POP STEP JUMP』を発売する。20歳の1年を追いかけたという本作の見どころについて、たっぷりと話を聞いた。

撮影/アライテツヤ 取材・文/渡邉千智(スタジオ・ハードデラックス)
ヘアメイク/齊藤沙織

毎日が勉強! 役者として挑戦する日々



――2015年、演劇『ハイキュー!!』で俳優デビューされた遊馬さんですが、いつ頃から芸能界に興味を持ち始めたのでしょうか?

高校生になってから雑誌をよく読むようになって、「僕も雑誌のモデルのようにカッコよく写りたいな」という気持ちを抱き始めました。ただ、住んでいたところが本当に田舎だったので、なかなかオーディションに挑戦する踏ん切りがつかなくて。

――そんなとき、ご友人からの「お前、イケるんじゃない?」という一言が後押しとなって、オーディションを受けたんですね。

はい。その言葉で、より強く芸能界に興味を持って、高校3年生のときにオーディションを受けて、結果、今の事務所に決まりました。

――役者デビューとなった演劇『ハイキュー!!』以降、歌劇『明治東亰恋伽』、『ROCK MUSICAL BLEACH』と立て続けに舞台に出演していますね。

本当にうれしいことなのですが、最近はとても忙しくさせていただいていて、ひとつのお仕事が終わったら、次のお仕事に頭を切り替えて……という感じ。今はホント、がむしゃらにお仕事に向き合っている状態です。

――毎日がすごく充実していそうですね。

はい! すごく楽しいです! 最近はいろんなお仕事に挑戦させてもらっていて、本当にありがたいですし、とても勉強になります。このあいだ初めて映像の現場を経験させてもらったのですが、舞台とはまた違う新鮮さや楽しさを感じました。

――それは、どんなところに?

舞台は、1ヶ月くらい稽古があって作品を作っていきますが、映像は、その場で見せるといいますか。カメラの前でのその場の見せ方が重要なのかなと思って、そこは舞台とは違う新鮮さを感じました。なかなか上手くできないことも多くて大変だったんですけど、新鮮で楽しかったです。舞台にも映像にも挑戦していきたいです!




――そんな遊馬さんが目指す俳優像とは?

須賀健太くんのことをすごく尊敬しています。健太くんは、僕のデビュー作品のときの座長で、僕にとっては初座長だったのと、とてもキャリアがあって映像でも舞台でも活躍されているので、勉強させてもらうことが多くて。舞台でのお芝居って、より大げさに見せる芝居が求められると思うんですが、健太くんはそういった部分が自然なんですよね。

――自然……?

たとえば、僕が演技中にボールを手で回したとしたら、お客さんに「ボールを持っているんだな」と思わせてしまいますよね。お客さんにそうやって気にさせてしまうことはひとつのストレスなんだなと思って。さりげなくボールを触って、「あ、ボールを持っていたんだ」と感じさせないとダメだなと。そういう部分、健太くんはとても上手なんです。

――ご本人に伝えたら喜んでくれるのでは…?

以前、雑誌の企画で、健太くんへのメッセージとして「尊敬してます」って書いたことがあって、そしたら僕宛てのメッセージに「お前、いいこと言うじゃねえか」と(笑)。健太くんは、周りのキャストのことをすごく気にかけてくれて、僕のインタビュー記事を読んでくれていることも多いみたいで……本当にうれしいです。

――遊馬さんはこれから舞台『おとめ妖怪ざくろ』で初座長を務められるわけですが、須賀さんの姿から学ぶことがありそうですね。

そうなんです! 演劇『ハイキュー!!』の稽古場でも健太くんの姿をよく見るようにしています。



僕が写真集…!? 正直、今でも信じられない(笑)



――最近、いろんなお仕事に挑戦しているということですが、お誕生日である10月20日に発売となるファースト写真集『POP STEP JUMP』も、新たな挑戦だったのでは?

はいっ! もう大きな挑戦です! ビックリですよ! 「僕が、写真集!?」「いやいやいやいや!」って。

――半ば信じられないぞ、と?

だって写真集って、人気があって、有名な方が出すものじゃないですか…!? 「なんで、僕なんかに!?」ってずっと思っていましたし、正直、今も信じられないくらいです(笑)。これが、本当に全国の書店に並ぶんですよね…!? なんだか、変な汗が出てきちゃいます…!(笑)

――(笑)。今回の写真集のコンセプトは遊馬さんの20歳の1年を撮影して、21歳の誕生日に発売するということなんですね。

はい。記念すべき誕生日に写真集を出させてもらえるなんて、本当にうれしかったです。

――タイトルの『POP STEP JUMP』は遊馬さんが考えたものですか?

僕が考えたんですが、最初は全然浮かばなくて……。ただ、「ジャンプ」という言葉は必ず入れたいなと思っていました。それは、僕の唯一の武器がジャンプ力だったから。僕は実力があるわけではないし、芝居がうまいわけでもないし、僕よりカッコいい人はたくさんいる。そんな僕が演劇『ハイキュー!!』で及川 徹役をいただけたのは、ジャンプ力があったからだと思うんです。

――そういう理由から「ジャンプ」が最初に決まったんですね。

でも「ジャンプ」だけだと同名の週刊少年漫画もありますし(笑)、何かほかにいいアイディアはないかなぁと考えていて……。家で緑茶ハイを飲んでほろ酔いになりながら考えていたときに、「ホップ ステップ ジャンプ」という言葉がスッと浮かんで「んっ!?」と思ったんです。「ホップ」より「ポップ」のほうが僕っぽいなと思って、「ポップ ステップ ジャンプ」とつなげてみました。

――遊馬さんらしいチャーミングなタイトルになりましたね。

「ポップ」は自分らしく明るいイメージ、「ステップ」は次のステップに向けて、「ジャンプ」は僕のジャンプ力と、“これから飛躍できるように”という思いを込めています。無事に採用されてよかったです!(笑)




“奇跡の1枚”が生まれた岐阜ロケの思い出



――地元・岐阜でも撮影されたんですよね。

8月の『ROCK MUSICAL BLEACH』の東京公演が終わって、次の京都公演まで少し時間が空いたときに、2泊3日で行ってきました。スタッフさんみんなと一緒だったので、旅行みたいな感覚でしたね。移動中のバスの中でも、僕はずっとはしゃいでいたかも…(笑)。

――岐阜での撮影で印象的だったことはありますか?

たくさんあるんですけど、ひとつは母校で、後輩たちとバレーボールをしながら撮影をしたことですね。岐阜ロケの最初の撮影で、しかも、周りに先生たちもいるなかでの撮影だったので緊張したんですけど、後輩たちのおかげで自然にバレーをしている姿が撮れたなと思います。初日の一発目の写真として思い出深いです。

――制服姿のお写真もステキですね。

ありがとうございますっ。高校時代はブレザーだったので、ずっと学ランに憧れていたんです(笑)。

――遊馬さんは釣りが趣味ということで、川釣りのお写真もありましたね。

はい! 地元の方にも「上手いね!」と言ってもらえたので、すごくうれしかったです。撮影であることを忘れて夢中になってましたね(笑)。楽しくてしょうがなかったです。ただ、ひとつ川の撮影でハプニングがありまして……!

――ハプニング?

岩場の多いところで撮影していたんですけど、ヘアメイクさんが足を滑らせて川に落ちてしまったんです…! 僕は横で釣りをしていたのですが、バシャーン!と聞こえて、「えっ!?」って振り返ったら、ヘアメイクさんが頭まで水に浸かってて……。怪我がなくて本当によかったです。