2013年10月10日、アリス・マンローがノーベル文学賞を受賞することが決まったと報じられた瞬間、私は早稲田大学の教室で座っていた。来日したロシアの作家ウラジーミル・ソローキン(『青い脂』『親衛隊士の日』)と芥川賞作家・藤野可織(『爪と目』、『おはなしして子ちゃん』)の対談講演を聴きにいっていたのだ。先走って「村上春樹がノーベル文学賞受賞」と流してしまった全国紙のネットニュースがあった。すぐに誤報だと判明