前編に引き続き、ある特定の年を時代の転換点ととらえた“年代本”を紹介するこの企画。後編では、1972年、1985年、1989年、1995年を振り返った4冊をとりあげたい。■坪内祐三『一九七二「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」』(2003年/文庫版、2006年)文芸評論家の坪内祐三(1958年生まれ)は、大学で学生相手に戦後史を教えるなかで、高度成長期の急激な時代の変化のピークは1968年であり、そして変化が完了するのは